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●「健康のために」オイルを摂る時代
オリーブオイルにアマニ油(※)、ココナッツオイルなどなど、「健康に良い」とされるオイル(食用油)が空前のブームとなっている。オイルというと「太る」「不健康」として拒否反応を示されることが多かったのに、最近では逆にポジティブな印象が広まってきた。
※アマニ油:亜麻の種子から絞った油。α-リノレン酸を豊富に含む。

その火付け役ともいえるのが、必須脂肪酸(※)のひとつ「α-リノレン酸」、通称「オメガ3」(n-3系脂肪酸)だ。研究が進み、積極的に摂取したほうがよいとわかると(もちろん何事も摂り過ぎはNG)、各種メディアにさかんに取り上げられるようになった。そうして、消費者のオイルに対する印象も変化してきたというわけだ。
※必須脂肪酸:生きていくうえで欠かせない成分だが、体内では作れず、食品から摂らなくてはならない油の成分の総称。

○栄養素をプラスするという新機軸のオイル

オイルに注目が集まるなか、J-オイルミルズが2016年4月に発売したのが「AJINOMOTO 毎日栄養オイル」(以下、毎日栄養オイル)だ。「健康のためにオイルを摂る」というブームに乗って、脂溶性栄養素などを配合したオイルを提案する。オリーブにせよアマニにせよ、最近話題のオイルは素材で訴求するものがほとんどだが、毎日栄養オイルでは配合された栄養素を打ち出しているのが特徴。骨の形成を助ける脂溶性ビタミンを配合した「AJINOMOTO 毎日栄養オイル ビタミンK2 & ビタミンD」と、循環器系(血液や血管)や脳の健康維持に役立つと期待されている必須脂肪酸を配合した「AJINOMOTO 毎日栄養オイル DHA & EPA」の2種類を用意する。どんな効果が期待できるのか、素材推しのものに比べるとわかりやすい。

まずはこの新機軸のオイルを体験してもらうために、と6月9日から22日までの2週間限定で、東京・青山にある「Royal Garden Cafe 青山」とコラボレーションした「オイル de ヘルシーカフェ」をオープン。毎日栄養オイルを使った特別メニュー10品を提供する。オープニング記者発表会に登壇したJ-オイルミルズ 代表取締役社長 八馬史尚氏は「健康に気づかう人が増えてきている。不足しがちな栄養素を効率的に補える毎日栄養オイルは、いわば食にサプリメントの要素を取り入れたハイブリッドな存在。オイルを通じて新たな価値を提供していきたい」と挨拶した。

J-オイルミルズ 油脂製品開発部 花澤和巳氏によれば、新機軸を打ち出したことで取引先からの反応も上々。4月の発売からまだあまり日が経っていないため、販売数量などの詳細はまだわからないが、健康に不安を抱えた高齢の女性を中心に支持されている、と手応えはあるようだ。

●J-オイルミルズの救世主になれるか
○ブームから定番へ

家庭用食用油の市場は拡大傾向にある。それを牽引するのはもちろん、オリーブオイルをはじめとする健康志向のオイルだ。花澤氏は「(健康志向のオイルが流行していることについて)ブームで終わらせず、広く定着させたい」というが、これからの課題は入り口を増やすことと、リピーターを増やすことだといえる。

最近はオイルおにぎりが流行しているが、従来のような炒め用だけでなく、ソースやドレッシングとしてオイルを使うのが広く認知されてきた。これはブームが定着するにあたって重要な流れ。J-オイルミルズからも新しく、手軽な使い方を発信することで、ライフスタイルへ組み込めればリピーターが付く。

実はJ-オイルミルズ、原料相場や為替など、大きな事業環境の変化に対応しきれず、2014年度から7カ年でスタートした第四期中期経営計画の見直しを発表したばかり。まずは事業基盤を整え、長期的な成長戦略に臨むとしているが、その成長戦略のひとつに「高付加価値化」が掲げられている。いわば、その期待のエースが毎日栄養オイルといえよう。今は種まきの段階で爆発的なヒット商品、とまではいえないが、骨や血管といった多くの人が抱えている不安に寄り添うことで、今後じわりじわりと伸びをみせるかもしれない。その可能性は十分に秘めた製品だと感じる。

(野山靖代)