『父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない』(著・布施太朗、1404円、三輪舎)

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6月の第3日曜日は「父の日」。今年(2016年)は19日にあたる。20世紀の初めアメリカで、男手ひとつで6人の子どもを育て上げた父親に感謝したのが始まりとされる。日本では戦後に広まった。贈り物には黄色いバラをといわれているが、「母の日」のカーネーションに比べるともうひとつだ。父親たちも寂しく思っているかもしれない。「いつも、ありがとう」と一言いえば、どんなに喜ぶことか。父親の気持ちを伝えてくれる3冊を紹介する。

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「お父さん、みてみて!」の声を聞いて

父親が子どもと思いっ切り遊べるのは、子どもが幼稚園の年長くらいから小学生高学年にさしかかる頃まで。たった5、6年しかない。かけがえのない時期をぼんやり過ごすのはもったいない。ツイッターでつぶやいたところ、「言われてみればそうだ」「はじめて気づいた」と話題になった。

『父親が子どもとがっつり遊べる時期はそう何年もない』(著・布施太朗、1404円、三輪舎)は、そんな話の中から生まれた。「お父さん、みてみて!」と子どもが訴えるのは、初めて鉄棒のさかあがりをした時のこと。「パパすごい!」は、パパがホームランを打った時。子どもはこんなシーンを生涯忘れない。こんな時は、父親も子どもをしっかり見つめ、精いっぱい遊んでほしい。難しい時期の思春期になるまでに、と呼び掛ける。

内容は、「オトン(父親)になるまで」「オトンの日々」「オトンとでかける」「オトンの背中」「オトンと旅」など、ふだんの具体的なエピソードをまとめたものだ。それぞれ興味深く、それぞれの家庭で参考になりそうだ。

シングルファザーに届いた「お父さん検定」

ひとり親家庭のうち、シングルマザーは123万8000世帯、シングルファザーは22万3000世帯(2011年度)といわれる。問題はそれぞれ多岐にわたるが、『もう一度、お父さんと呼んでくれ。』(著・樋口卓冶、648円、講談社)は、父娘の家庭を描いた作品だ。

男手ひとつで、心を込めて娘を育ててきたはずだったが、ある日突然、「お父さん検定」なるものが送られてきた。差出人は亡き妻の母だった。家事はできるのか、娘の気持ちを分かっているのか。数々の審査項目がある。合格しなければ親権を奪われる――主人公・細野一郎は、果たして合格できるのか。世のお父さんに届けたい1冊だ。

レビューには「失敗ばかりしている父親に『お父さん検定』が届いた。失敗で問題を解決するって、意外とあるかも知れませんね。家庭コメディでした」「テンポよく、ユーモア有り、涙有りで満足な作品でした」「優しいお話。最近は虐待とかのニュースも多いけど、世の中のお父さんが一郎みたいな優しいお父さんならいいのに」といった声が寄せられている。作者は小説『ボクの妻と結婚して下さい。』で話題になった樋口卓冶氏だ。

夫も妻も「仕事も家事・育児も」

「女性の管理職を3割増やすなら、男性の家庭進出も3割増やすべし」。なるほど、その通り。男性と同じ仕事をしながら、女性には仕事も家庭も押しつけられる。それでは不平等だ。専業主婦は約950万人に対し、「専業主夫」はまだ11万人。だが、女性の社会的進出につれ、この数字は増えていくに違いない。

『「専業主夫」になりたい男たち』(著・白河桃子、842円、ポプラ社)は、主夫とその妻を取材し、日本の夫婦や家庭の実態を明らかにして新しいあり方を探る。

「男は仕事、女は家庭」の性別役割分担はなかなか変わらない。女性はお金を稼がず、男性は靴下がどこにしまってあるのかも知らない。もっと柔軟に、分担の選択肢を増やしたらどうか。最近は男性から「大黒柱はつらい」という声も出ている。夫も妻も「仕事も家庭も」両方をやれば、より幸せな夫婦になれると提唱する。

著者は少子化ジャーナリストで作家。「一億総活躍国民会議」の民間議員も務めている。