[買収]でドーンと2倍銘柄を探せ!
「親子上場の解消」など、相場が軟調なときこそ買収案件は増加する。億超えトレーダーらが注目している“買収の思惑のある銘柄”なら、2倍増だって狙える!

◆子会社買収、経営統合、業界再編――軟調相場こそM&Aは増加する

 計測制御機器大手メーカーの大崎電気工業は、子会社の大崎エンジニアリングの株式を公開買い付けにより取得すると発表。400円程度だった大崎エンジニアリングの株価は買い付け価格の800円まで一気に高騰した。一般的に、「株価上昇や経営拡大が止まると、企業の合併・買収(M&A)が増える傾向にあります。利益成長の遅れを一気に取り戻そうとする心理が経営者に作用するため」と指摘するのは、株式ジャーナリストの大神田貴文氏。

 資産2.5億円の個人投資家・かぶ1000氏は「企業による買収には3パターンある」と話す。

「一つは親子上場の解消を目的とした『親会社による子会社の買収』です。また、事業拡大や経営の効率化、業界再編などのための『戦略的買収』もあります。さらに経営陣による企業買収、いわゆる『MBO』というケースもあります」

 特に買収で多いのは、「親会社による子会社の買収」だ。

「親子上場は日本独特の仕組みといわれますが、海外投資家には『子会社が少数株主を無視して親会社の利益を優先させる』として評判が悪く、親子上場は解消される流れにあります。子会社買収の有力候補はリコーリース。親会社のリコーが今期3割減益予想なのに対して、リコーリースは増収増益の見通し。リコーリースが好業績を踏まえて配当を増やすと、グループ外にキャッシュが流出することになりますが、完全子会社化すれば配当の全額をリコーが吸い上げることができます」(大神田氏)

 かぶ1000氏も同様の理由で、富士通の子会社、都築電気に注目。

「都築電気は約150億円の現金を持っていて、PBRは0.3倍と割安に放置。配当利回りも3%近い。関係性が強い富士通が完全子会社化する可能性もあります」

◆業界の再編や事業の効率化のための買収も

 買収となれば敵対的と友好的なものもあれば、業界再編やグループ事業再編のほか、業績不振企業の救済型のようなパターンもある。人気アナリストの熊谷亮氏は、「再編が起きやすいのはピークが過ぎた不人気業種」と指摘する。

「港湾運輸大手で商船三井の子会社である宇徳、三菱電機系の設備工事業者である弘電社などは、どちらもPBR1倍割れで割安に放置されています。親会社による子会社化の可能性もあるでしょう」

 また、事業再編的な合併は、業界内で噂話が上がりやすい。

「博報堂グループでは、ネット広告企業のDACの力を強化したい方針があるようで、東証2部のメンバーズやマザーズのユナイテッドあたりを統合するのでは、という噂が聞こえてきます」(株式ジャーナリスト・竹中博文氏)

 業績不振企業にも買収の手は忍び寄る。市場ではアンジェスMGの行方に関心が集まっている。

「資金不足で増資の繰り返しですが、研究で培った創薬ノウハウは貴重で、製薬大手による買収説が何度か流れました」(大神田氏)

 さらに、資産3.4億円の億超えトレーダー・キクチ氏は、大株主の動向からこんな予想をする。

「少し前まで経営危機だった学習塾の市進HDの株を、enaという別の学習塾の経営者が大量取得しています。同業者が買うからには、今後、何か動きがあるのかも? 市進HDは不採算事業を廃止したりリストラをして業績が改善してきているのも好材料です」

 かぶ1000氏も大株主の動向に注目する。茶や酒のエキスなど粉末系素材の製造・卸を手掛ける佐藤食品工業の株を社長が20%以上持っていて、現在91歳。MBOもありえるかもしれない。