「弱冷房車」は女性のミカタ?

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執筆:Mocosuku編集部

暑い季節、エアコンが効いている室内は居心地がいいもの。
電車に乗り込むたびに、ひんやりした空気の車内に癒やされるという人もいるのではないでしょうか。逆に、電車の中が冷えすぎて鳥肌が立つという人もいるかもしれません。

そんななか気になるのが「弱冷房車両」の存在。いったい、弱冷房車両は何度に設定されているのでしょうか?

「弱冷房車」の温度はプラス2℃!

通常、夏場の電車の冷房は26℃に設定してあります。ただし、車内の温度は天候や外の気温、混雑状況によっても変わってくるため、こまめに状況をチェックして空調の温度を管理しています。
夏場の「弱冷房車」は、通常車両の温度と比べて2℃高い28℃に設定してあります。

首都圏の鉄道各社はいずれも弱冷房車両を導入していますが、車両の位置は会社によって異なります。
弱冷房車両には外側から見ててわかるようにステッカーが貼ってあるほか、各鉄道会社のウェブサイトでも確認できます。暑がりの人も寒いのが苦手な人も、事前に弱冷房車両の位置を把握しておくといいですね。

「弱暖房車」が存在しないワケ

ところで、夏に「弱冷房車」はあっても冬に「弱暖房車」はありませんね。
冬場でも車両には「弱冷房車」のステッカーがそのまま貼ってありますが、冬場はすべての車両の温度設定は同じです。これは、寒さに対する感じ方は人によってバラツキがありますが、暑さに対しては同じ感覚を持つことが多いのが理由です。

冬場は全体的に暖房を弱めに効かせてあり、暑い場合に暖房を止めます。温度が下がらなければ送風して外気を取り込み、それでも十分に温度が下がらない場合にのみ冷房を入れるという決まりのようです。

女性のほうが冷房に弱い?

一般に、男性には「弱冷房車は不要」と考える人が多いのに対して、女性のなかには「女性専用車両を弱冷房車にしてほしい」という声もあります。
これは、男女によって体感温度に2℃ほど差があることが原因です。

男性は女性と比べて脂肪が少なく、筋肉の量が多い傾向があります。そのため、女性よりも男性は代謝がよく、身体のなかで熱を作りやすいのです。男性に暑がりの人が多いのもそれが理由です。

一方、女性は男性よりも脂肪が多い傾向にあります。脂肪は熱を通しにくく温まりにくい性質があるため、冷房が苦手という女性が多いのです。

温度差が大きいと「冷房病・クーラー病」になることも

また、外界と室内に急激な温度差があると、体温調節をつかさどる自律神経が失調し、冷房病にかかる恐れがあります。

もともと自律神経は5度以上の急激な温度の変化に対応できるようにできていません。そのため、急な温度差が繰り返されると体温を下げる交感神経と体温をあげる副交感神経のバランスが崩れ、自律神経失調症にかかってしまうのです。

暑いからといってエアコンの温度を過度に下げ、もっと涼しくしてほしいと要求すると体調不良になることも。電車の車内では気温や混雑状況に応じてこまめに調整してくれているので、たとえ快適ではなくとも身体い問題の起こらない適温として設定されています。

参考:西武鉄道(http://www.seibu-group.co.jp/railways/cs/faq/temperature/)
夏のオフィスの空気に関する調査結果(http://www.daikin.co.jp/kuuki/library/data/Vol7.pdf)