とはいえ、このビタミンB1欠乏症を最も警戒するのは、何と言っても大量に飲酒することだという。
 「二日酔いの原因は脱水症と低血糖と言えます。二日酔いになるとアルコールの脱水作用により、脳の細胞に含まれる水分が少なくなり頭痛を起こす。また、カルシウム、マグネシウム、亜鉛など、身体の調節に必要なミネラルが尿と一緒に体外へ出てしまい、疲労感や脱力感を生む。こうしたことから、お酒を体内で分解するには多くのビタミンB1が必要になります。その影響で、食事で炭水化物を摂っても必要なエネルギーを作れなくなり、悪循環を生むのです」(専門家)

 そもそもビタミンB1は水溶性であるため、ビールなどを飲むと余計に尿と一緒に排出されやすい。しかも、お酒を飲めば消化器の働きが低下してビタミンB1の吸収が悪くなる。
 「さらに恐ろしいのは、ビタミンB1欠乏症が進行すると、認知症と同じような症状を起こすことです。これを医学界では『ウェルニッケ脳症』と呼んでいるのですが、脳内神経障害により真っ直ぐ歩けなくなり、眼振も起き、物忘れもするようになると言われる。中には、本人の意識をよそに作り話をするようになるケースもあります。見た目は病気と分からないため、人間関係を損なって悩む人もいるのです」

 では、どのようにして二日酔いを回避すればいいのか。
 「まず、お酒を飲んだ後はラーメンはやめて果実を食べること。特にいいのが柿やりんごです。これらにはアルコールを分解するカタラーゼという酵素が多く含まれているからです。さらに、寝る前は十分に水分補給をすること。ひどい二日酔いの場合は、少し断酒して豚肉やうなぎなどでビタミンB1を3〜5日ほど摂取することです」(専門家)

 ちなみに日本酒好きな人には、最近では“和らぎ水”と呼んで日本名門酒会などが提唱する飲み方もある。
 「“和らぎ水”とは日本酒をたしなみながら飲む水のこと。水により体内のアルコールを中和させ、代謝を活発にさせることで、悪酔いを防ぐのです。特に二種類以上の異なる日本酒を飲む場合は、水を飲むことで口の中をスッキリさせ、次の酒の味も分かりやすくなる。すし屋で言うガリのような役目です。強がってガンガン飲むのではなく、一息入れながら飲むことも二日酔いを回避する効果的な方法です」(日本酒専門居酒屋店主)

 二日酔いは万国共通で、トマトジュースによるビタミン補給、コーヒーのカフェインで頭痛完治、熱いシャワーでアルコールの分解など、世界でも様々な“一般的な方法”があるが、要は飲み過ぎないことだ。