本セレクトのプロに聞いた、梅雨の読書をたのしむ方法

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梅雨に入り、天気予報にも曇りや雨マークが並ぶ季節に。

こうなると、夏まで小旅行はお預けで、家にこもっているしかないかな……という気分になりますが、諦めるのはまだ早い!

信州では、梅雨時期といっても実はそれほど雨量が多くありません。

山の緑はますます美しく、観光地にはお客さんが少なく、旅をゆっくりと楽しめる穴場のシーズン。

観光地巡りだけでなく、何気なく訪れた場所で、旅行鞄にしのばせた1冊の本を開く。

そんな梅雨時の信州ひとり旅から、おすすめの読書空間と1冊の本を、長野県内の本のセレクトのプロたちに教えてもらいました。

以前の「1冊の本を読むためだけの旅」の初夏編です。

コーヒーの香りと、人生のみちくさを楽しむ短いことばの本



haluta365による冊を読むのに最適な場所を探す信州軽井沢への旅でまどみちおを読む_1
haluta365による冊を読むのに最適な場所を探す信州軽井沢への旅でまどみちおを読む_2

NHK大河ドラマ『真田丸』ブームでますます注目を集める長野県上田市。

同市内の古書店「NABO」の池上さんがお薦めしてくれたのは、つい最近、移転リニューアルオープンしたばかりのブックカフェ「コトバヤ」で読む、まどみちおさんの詩集『ANIMALS』。

「コトバヤ」のある場所は、酒屋や味噌蔵、人気のパン屋さんなどが並ぶ、古くからの街並が残る柳町通り。観光やお土産ショッピングのあとにぶらりと立ち寄るのに最適です。

4年前、同じく上田のコワーキングスペース「Hanarab.」にあった、小さな「コトバヤ」のスペースで見つけたのが、まどみちおさんの詩集『ANIMALS』。ただ生きることを全うする動物たちの美しさが、短いことばで綴られるすばらしい本です。「コトバヤ」の本のセレクトは、人生のみちくさを楽しませてくれるようなものばかり。たまにキッチンでコーヒー豆の焙煎をしている姿も見ることができて、ほっと落ち着きます。


非日常感ただよう空間で、つれづれなる叙情詩を



haluta365による冊を読むのに最適な場所を探す信州軽井沢への旅で読む植本一子さんのかなわない_3
haluta365による冊を読むのに最適な場所を探す信州軽井沢への旅で読む植本一子さんのかなわない_4

長野市の「ch.books」からのお薦めは、地元の人しかなかなか知ることのできない穴場の公園で読む、写真家・植本一子さんの『かなわない』。

長野駅から徒歩10分ほどの「若里公園」は、休日ともなれば親子連れが遊んでいたり、友人同士がピクニックをしていたり、“THE 市民の憩いの場”。

近くでビールや飲み物を仕入れて、地元の人に混じって芝生にごろりと寝転がっての読書。これぞ「非日常」の醍醐味かもしれません。

夫(ラッパーのECDさん)と娘2人との生活を綴った『働けECD』からの5年間を、ありのままに記した『かなわない』。淡々としていながらも、こちらが不安になるほど赤裸々な言葉に、胸がぎゅっとしたり、安心したりと目が離せない1冊。何ともいえない読後感に襲われて顔を上げると、そこには公園で遊ぶ楽しそうな家族の風景があるのです。


読書のための心地よい「音」の中で、小動物たちとの暮らしを覗く



haluta365による冊を読むのに最適な場所を探す信州軽井沢への旅で読む内田百けんさんの阿呆の鳥飼_5
haluta365による冊を読むのに最適な場所を探す信州軽井沢への旅で読む内田百けんさんの阿呆の鳥飼_6

軽井沢から車で40分ほどのところにある佐久市望月。ここには、誰もが “ほんとうは教えたくない” カフェがあるのだとか。

軽井沢のブックカフェ「麦小舎」の藤野さんいわく、その店「YUSHI CAFE」は、いつ行っても、音がすばらしいのだそう。

お薦めは、内田百けんさんの『阿呆の鳥飼』。

アクセスは少し不便ですが、思い切って文庫本を1冊抱えて、訪ねてみては?

喫茶店で読書、は定番ですが、しっかり本に集中できる店は意外と少ないもの。理由は「音」。騒がしすぎても、静かすぎてもだめ。その塩梅が私にとっていちばんちょうどいいのが、ここ。歩くたびにギシギシなる木の床。カウンターにいる常連さんたちの笑い声。キッチンから聞こえてくる水音。ときおり庭の木を揺らす風。この場所の音はすべてがちょうどよく、心地よく、本読みの1人客にとっては天国です。


haluta365 の人気連載「あそこで読みたい」には、まだまだ旅の参考になるスポットや、そこで読むべき1冊の紹介がたくさん!

梅雨時だからこそ、本の世界へ飛び込んでみませんか?

あそこで読みたい | haluta365