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シーメンスPLMソフトウェアは6月9日、都内でプライベートカンファレンスを開催。同カンファレンスにおいて、米Siemens PLM SoftwareのVice President of NX Product Management,Marketing,Product Definition and Business Developmentを務めるRobert Haubrock(ロバート・ハブロック)氏が、同社のCAD/CAM/CAE統合ソリューション「NX」の次世代バージョンである「11」に向けて機能の概要などについての説明を行った。

同社は現在、「Digital Twin(デジタルの双子)」を掲げ、製造のすべての段階 -コンセプトデザインから最終的なサービスまで- をサポートしていく方針を示している。こうした取り組みは競合他社も似たような言葉やソリューションを用いて行っているが同氏は、「競合他社と異なる点は、我々の考え方は、新たな産業を次々と開拓していくのではなく、特定の分野を深堀していくというもので、すでにプレゼンスを有している分野において、革新を提供するというものだ」と、その違いを述べている。

では、そうした会社としての方針を踏まえて、次世代のNXはどのような方向性に向かうかというと、同氏は2つの例を挙げて説明をしている。1つは、自分や家族が欲しいクルマをデザインして、パーツを選択し、Web上で購入ボタンを押すと、決済が済み次第、組み立てラインが稼動するという、ある種の究極ともいえるオーダーメイド。すでに同社は2016年5月に3歳以上を対象とする、手書きの画像データをCAD図面へと変換可能なアプリケーション「Catchbook」の提供をWindows、iOS、Android向けに開始するなど、下準備を着々と進めている。

2つ目は、「我々は顧客のデータを管理するという立場。実は、たった今、生み出されたすばらしいアイデアが、実は過去に、すでに生み出されていることもある」と同氏が語るように、過去から連綿と続いてきている各種のデータなどを、今でも利用できるように、そしてそれをさらに将来でも使えるようにするへの取り組みだ。「30年前に作られたデータが、実は今必要だったり、30年先の未来に必要となる可能性だってある。そうしたときでも、我々は、そうしたデータを活用できるようにしておく必要がある」。

また、「ベストプラクティスや知識の共有も長い時間を経てなされてきたもので、いまや設計もグローバルの複数拠点で行われるような時代だ。かつて誰かがどこかで生み出したデータが、今、役に立つという機会は今後増えていく」としており、フォーマットやモデリングの方式、ジオメトリの種類などが区別なしに、1つのツールで活用できるようになることが今後の重要な指針になってくるとした。

なお同氏は、「大切なのは幅広いルールを一体型として扱うことの重要性であり、従来のモデルであろうが、新たなモデルであろうが、それを気にしないで活用することができる。これがConvergent Modeling(集約型モデリング)であり、同一のツール上でそれを実現できるのは我々だけの強みとなる」と自社の優位性をアピール。データの変換をせずに、さまざまなデータを自由に活用できる世界の到来が近いことを強調していた。

(小林行雄)