日本を訪れる中国人が増えているが、これだけ多くの中国人が訪日すれば、日本滞在中に何かを失くしてしまう、落としてしまうというトラブルに見舞われる人もいるはずだ。中国メディアの捜狐はこのほど、日本で落とし物をした時の対応について説明する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本を訪れる中国人が増えているが、これだけ多くの中国人が訪日すれば、日本滞在中に何かを失くしてしまう、落としてしまうというトラブルに見舞われる人もいるはずだ。中国メディアの捜狐はこのほど、日本で落とし物をした時の対応について説明する記事を掲載した。

 記事はまず「拾ったものをネコババしないという日本人の有名な行為は、決してでたらめではない」と指摘、この美徳を持つ日本人を称賛した。同時に記事は「決してでたらめではない」と強調することにより、この美徳を持つことができる確かな理由が日本にはあるという見方を示した。

 続けて、「日本には落とし物のための完全なシステムが整えられている」と指摘。落とし物を拾った人には7日以内に交番に届ける義務があり、もし違反が発覚すれば1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられると説明した。さらに落とし物を交番に届けた際、あるいは落とし物をした時には「時間、場所、物品の名称と落とし物を拾った人の名前などを詳細に記録する」と記事は説明。落とし主あるいは落とし物が見つかった場合、いずれの場合も「警察は必ず拾得者に連絡する」と紹介した。

 中国市民のなかには、「拾得物を届けても、どうせ警察官がそれをネコババする」と主張、だから中国では拾得物を届けても無駄だと主張する人がいる。真偽はともかく、記事は「日本の警察は必ず拾得者に連絡する」と指摘することにより、日本では安心して交番に落とし物を届けることができる、あるいは落とし物を探しに行ける点を強調したのだろう。

 また記事は「拾ったものをネコババしないという日本人の有名な行為は、幼いころから受ける教育と関係がある」と説明。日本では幼稚園のころから道徳教育を受けると説明し、日本の道徳教育では「自分に属さない物を好き勝手に取ったり触ったりしてはならず、落とし物を拾ったら必ず交番に届けなくてはならないことを特別に強調する」と説明した。記事はこのように「落とし物をめぐる日本の完全なシステム」を紹介したが、このシステムの要となるのはやはり道徳教育ではないだろうか。

 幼いころに心に深く刻まれた道徳観念は大人になっても人の行動に大きな影響を与える。記事は他人のものを盗ることをタブーとする道徳教育を、日本では「特別に強調する」と指摘しているが、これは他人に迷惑をかけないことを美徳とする日本人の行動様式とも明らかに結びついている。

 細かな法律がたくさん増えたとしても、それによって安心して暮らせる社会が実現するわけではない。法律は絶対に必要だが、それに加えてふわさしい道徳感覚を身に着けることは非常に大切だ。日本人が落とし物を拾って交番に届けるのは、処罰の対象になるのを恐れるからではない。落とした人の気持ちを考えることができるよう教育を受けているからであり、日本人が今後もさわやかな社会生活を送れるよう、道徳教育はこれからも重要視されるべき対象といえる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)