「ウイトレ」のキャッチフレーズは「『考えるサッカー』を身につける。」

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「ウイニングイレブン」シリーズ(略称「ウイイレ」)は、PlayStation4(PS4)で遊べる人気サッカーゲームだ。国内外で活躍する一流選手たちが3D技術でリアルに再現され、プレイヤーは本物の選手になりきってゲーム機を操作することができる。

そんな「ウイイレ」を活用したトレーニングメソッド「ウイトレ」が、元サッカー選手でスポーツジャーナリストの中西哲生さん監修のもと開発され、実在する少年サッカーチーム「JFC FUTURO(フトゥーロ)」(横浜市)に「ウイトレ」が伝授された。取り組みの様子はYouTube動画にまとめられ、6月8日から特設ページで公開されている。

5つの独自メソッドからなる「ウイトレ」

ゲーム愛好者だけでなく、国内外のプロサッカー選手の間にも「ウイイレ」は広まっているという。そのことに着目したソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア(SIEJA)が、「できないことが、できるって、最高だ。」キャンペーンの一環として「ウイトレ」を開発した。

「ウイトレ」は次の5つの独自メソッドで構成されている。

(1)2タッチ+斜めのパス
(2)シフトアップ&シフトダウン
(3)2つ先を考えて動く
(4)シュートは蹴り足から着地
(5)ゴール前での選択肢

とくに(1)〜(3)は、グラウンド全体と個々の選手の動きを俯瞰(ふかん)の視点で捉えることが必要となる。ゲームはそのイメージをつかむのに最適というわけだ。この画期的なトレーニングメソッドで、JFC FUTUROの子どもたちはどう変化していったのか――。

全員が「『ウイトレ』でサッカーが上手くなった」と実感

3分53秒の動画は、JFC FUTUROが対戦相手の強豪チームに苦戦しているシーンから始まる。結果こそ1-2の惜敗だが、ボールを何度も奪われ、実力差は点数以上に大きい。

高台から試合を見つめていたのがウイトレ監修者の中西さん。「もっとサッカー上手くなりたいよね。チームも強くなりたいよね」と問いかけると、子どもたちはマジメな顔でうなずく。

「そのためにはピッチをもっと立体的に見てほしい。低いところから見ているんじゃなくて、もっと高いところからピッチが見られるようになると、サッカーが全然変わるから」と中西さんは指摘して、こう声をかけた。

「じゃあ、『ウイトレ』はじめようか!」

ピッチに設置されたゲーム機。モニターに映っているのはもちろん「ウイイレ」だ。子どもたちはゲームのプレイヤーとなって対戦するが、そこで戦術の重要性に気づかされる。相手の動きを読んでその上を行く。頭を使って相手を翻弄(ほんろう)し、ムダに疲れることなく動く――。ゲームに登場する一流選手の動きは格好の手本だった。

「斜めのパスを出す意味を持ってプレイしてみて」
「ボールを持ってない人も斜めに走った方が相手のマークはずしやすい」

頭の中で理解しても、体の動きがついてこなければ何の意味もない。次に中西さんは実技指導を行った。

「ボールを蹴るときは、蹴り足から着地しよう」

何かをつかんだ子どもたち。放課後は一目散にグラウンドに向かって走り出し、繰り返し練習する。家や休憩時間は「ウイイレ」で遊びながら、イメージトレーニングを積む。

2週間の「ウイトレ」を経て、再試合に臨む――。JFC FUTUROの動きは驚くほどレベルアップし、ゲームを支配するシーンが連続して流れた。見事シュートを決め、得点に喜ぶ男の子の笑顔もあった。

子どもたちが答えたアンケートの結果が映し出される。おおむねすべてのスキルが向上したことを実感し、全員が「『ウイトレ』でサッカーが上手くなった」と実感していることが判明した。チームの強さも100点満点で平均69.7点に。これは「ウイトレ」前から10点以上もアップしている。

中西さんも「ウイトレ」の効果を次のように評価する。

「『ウイトレ』実施前は50点といったところでした。成功したとしても偶然性が高い、五分五分のプレイでした。一方、『ウイトレ』後は80点の点数をつけたい。プレイが意図的になっています。結果成功しないかもしれませんが、失敗しても失敗した理由が分かるので、具体的にどこを修正したらいいのか理解しやすい。それによって、今後の伸びしろがあるということで80点をつけます」
「今回『ウイトレ』を知ったすべての子どもたちに、自分の試合を俯瞰で見る視点と、3次元の感覚を伴わせたシュートやパスを試合の中で出していってほしいです」