どちらにあるにせよまず検査は受けよう

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大腸の左右どちらに「大腸がん」の腫瘍が発生したかによって、生存期間が異なる――驚きの研究結果が、2016年6月3日から米シカゴで開催されている、米国臨床腫瘍学会の年次集会で、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のアラン・ヴェヌーク博士らによって発表された。

「大腸がん」はその名の通り大腸に発生するがんの総称。大腸は細かく「盲腸」「結腸」「直腸」「肛門」などにわけられるが、国立がん研究センターによると、日本人は「S状結腸」と「直腸」に腫瘍ができやすいという。

ヴェヌーク博士らは、すでに転移も起きている大腸がん患者1025人を、「盲腸」と「上行結腸」に腫瘍がある場合は「右側」、「下行結腸」「S状結腸」「直腸」に腫瘍がある場合は「左側」に分類し、2004年から追跡調査を実施。生存期間を比較している。

その結果、腫瘍が左側にある患者の生存期間は平均33.3か月だったのに対し、右側の患者は19.4か月となっていた。

さらに、がんを増殖させる分子だけを対象にした「分子標的治療薬」による治療を受けた場合でも、左側に腫瘍がある患者は平均36か月生存したが、右側の患者は16.7か月だった。

腫瘍の位置によって生存期間が変わる理由は不明だが、ヴェヌーク博士は、つながっている臓器や影響している部位によって、同じ大腸でも左右で環境や性質は異なるものであり、そこに発生する腫瘍も生物学的には異なるためではないか、と推測。

「何らかの要因で、予後が悪い大腸がんが右側に、よいがんは左側に発生する傾向があるようだ」とコメントし、将来的には、大腸がんの発生場所によって治療法を変える、といった手段が取られる可能性も示唆している。

学会での発表は、学術誌に掲載されるまでは 予備的な研究とみなされる。

(Aging Style)