いままでの「当たり前」に、新しい可能性の眼を向けよ:CREATIVE HACK AWARD 2016開催にあたって

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優れたクリエイティヴマインドを有する「次世代のキーパーソン」に光を当てるべく、『WIRED』がCREATIVE HACK AWARDを立ち上げたのが2013年。4回目となる2016年の課題は、「日常をハックせよ!」にさせていただいた。このテーマに込められた狙い、いまこそ「日常」に新たな眼を向けるその意味を、『WIRED』日本版編集長の若林恵が語る。

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インターネットの登場、そしてその普及がもたらした変革は、わたしたちの日常のさまざまの局面を、ときにはそうとは気づかぬうちに大きく変えてきました。しかし、それはさらなる大きな変革のうちのほんの端緒に過ぎなかったという見方も、いま新たに出始めてきています。その変革をもたらすテクノロジーを、ある人はAIだといい、ある人はVRだといい、ある人はブロックチェーンだといったりします。

そうしたテクノロジーは必ずしもいまになって新しく登場したわけではありませんが、それらの真価が発揮されうる環境が、技術的にも社会的にも整いつつあることで、一気に実装に向けて動き出そうという機運が高まっているように感じられます。そして、わたしたちは、そうしたテクノロジーを、「空想的な思考実験」としてではなく、「より現実的な構想」としてイメージしなければならない段階にある、といえるのかもしれません。

例えば自律走行車のようなものが、具体的に、現在のわたしたちの日常に入ってきて、それこそ、これまでの交通の制度や仕組みを「ハック」し始めるとき、わたしたちはいままでとは全く違ったやり方で、交通や移動といったものを見つめ直し、そこから日常生活を再編成する必要が出てくるに違いありません。自動走行車が走りまわる空間においては、信号や横断歩道を再発明する必要があるどころか、むしろそれらが存在しない景色が立ち現れてくる可能性すらあるのです。

つまり、日常のあらゆるものが、ハックされ、解体される可能性を孕んだ対象として存在している、ということになるのかもしれません。どうしても物理的にそこに存在していなくてはならなかったはずのものが、透明化されたり、クラウド化されたり、ロボット化されたり、あるいはもはやいらないものになったりするようなことが、日常の中で慣れ親しんだモノゴトに起こりうるわけです。

これまで当たり前が当たり前でなくなるというのは怖くもあるようですが、同時にワクワクすることでもあります。それはかつてならバカバカしいといわれていたようなアイデアががぜん現実味をもったりする世界でもあるのです。

いままでの当たり前に、新しい可能性の眼を向けること。そしていままでの日常とは異なった、現実を思い描き、かたちにすること。今年のCREATIVE HACK AWARDでは、そんな作品をお待ちしています。

たくさんの、ハッとするような「ハック」を楽しみにしています。

INFORMATION

作品の応募受付、開始! 受賞者には豪華な賞品も

2013年から『WIRED』日本版が開催しているアワード「CREATIVE HACK AWARD」。受賞者のなかから、クリエイティヴシーンで活躍する逸材も生まれている本アワードが、今年も作品の募集を開始。「日常をハックせよ!」をテーマに、あらゆる領域における「新たなクリエイティヴ」を受け付けています。(応募締め切りは16年9月30日)6月27日(月)には、「CREATIVE HACK AWARD 2016 オープンセミナー #1」を開催します。