年収800万円なのにビンボー…生活が厳しい理由1位は?
 一見、十分な収入のように思える世帯年収800万円という数字だが、実際に都心部で暮らす家庭では綱渡りのような生活を強いられていることも多い。教育費・バブリー妻・住宅ローンetc.「ウチは普通よりも上」という甘い考えが“破たん”へと誘う。その姿を追った――。

◆無駄に「いいモノ」を求めがちな800万円世帯

「年収300万円時代」などと言われて久しいが、都心部の場合、世帯収入800万円でも危機に瀕する家庭が続出している。総務省の「全国消費実態調査」(平成26年)によると世帯年収800万以上の層(2人以上世帯)は上位30%に入っており、本来なら恵まれた境遇にあるはず。

 だが、「家計が破たんの危機だと相談に来るのは、年収700万〜1200万円の世帯が多い」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの藤川太氏だ。

「世帯年収700万円を超え始めた人は『ウチは普通よりも上なんだ』という変な意識を持ってしまいがちで、いい家、いい教育、いい車を欲しがってしまう。しかも、なまじ収入があるために5000万円以上の新築マンションでも、親に頭金を出してもらったりして買えてしまうんです。

 その結果、住宅ローンと教育費という巨大な固定費を抱え、気づけば家計が破たん寸前なんてことになっている」

 都心部に住む「生活が苦しい」と思う世帯年収800万〜1000万円の男性200人に行った調査でも、やはり生活を圧迫している要因は住宅ローンや教育費が上位だった(Q1)。頭金にもよるが、5000万円以上のマンションを35年ローンで購入すれば月々の返済は15万円ほどになる。

「さらに子供を私立に行かせてしまうと、授業料やらなんやらで月あたり10万円はかかる。もうすでに25万円の固定費です。でも、年収800万円の標準的な手取り月収はボーナスなどを勘案しても40万円少々。

 冷静に考えればやっていけないことは火を見るより明らか。最近も『金利が安いので家を買いたい』という方がよく来ますが、収支状況から『やめたほうがいい』と言わざるを得ません」(藤川氏)

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Q1.生活が厳しいと思う理由は?(複数回答あり)

1)住宅ローンが家計を圧迫 115人
2)給料が全然上がらない 108人
3)子供の養育費がかさむ 100人
4)余分な食費をかけてしまう 95人
5)月々の小遣いが少ない 83人
6)子供を私立校に入れた 65人
7)毎月の保険料が高い 51人
8)旅行など趣味に使うから 43人
9)妻が無駄な散財をする 26人
10)飲み代などで散財 21人
11)住宅ローン以外の借金 15人
12)その他(転職に失敗した親の介護負担、急に病気になったなど)7人

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◆70%が月のお小遣いは3万以下

 世帯年収800〜1000万円なのに困窮する男性200人に「世帯全体の貯金額」(Q2)を聞いた結果では、約3人に1人は「100万円未満」と回答。「月の小遣い額」(Q3)では約7割が「3万円以下」と答えたことからも、その“自転車操業ぶり”が窺える。

 また、税理士の田中卓也氏は税制上の負担を次のように解説する。

「税制上、年収800万円の層が特に負担が重いというわけではないのですが、給与取得者だと通常、医療費控除やふるさと納税といった所得控除があるだけなので、節税対策といっても選択肢は少ない。税を徴収する側としては“取りやすい層”といえます」

 搾り取られながらも消費意欲は高くなる。

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Q2.世帯全体の貯金額は?

ほぼなし 15%
50万円未満 7%
50万円〜100万円未満 10.5%
100万円〜300万円未満 23%
300万円〜500万円未満 15.5%
500万円〜1000万円未満 14.5%
1000万円以上 14.5%

Q3.月の小遣いの額は?

5000円未満 3.5%
5000円〜1万円未満 10%
1万円〜2万円未満 23%
2万円〜3万円未満 33%
3万円〜5万円未満 22.5%
5万円以上 8%

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― 都心部[年収800万円]家庭は火の車だった【1】 ―