日本の勤労者約12万人のデータから「メタボ」になりやすい業種が特定された。

 調査では、2012年に福島県内で健康診断を受けた会社員の男女、約16万人のデータを収集。ウエスト周囲径、血圧値、血糖値、脂質値、およびメタボ判定結果が判明した約12万人(年齢35〜75歳)のデータをもとに、各項目と業種との関係を解析した。

 まず、全業種での男性のメタボ率は22.2%と、約5人に1人がメタボだったのに対し、女性は4.4%にとどまった。

 業種別では、男性の「建設業」「運送業・郵便業」「学術研究、専門・技術サービス」「協同組合・郵便局などの複合サービス事業」でメタボ率が高いことが判明。特に「運送業・郵便業」の男性は、ウエスト周囲径高値、高血圧、高血糖、脂質異常と、全ての項目で有病率が標準を上回った。

 一方、女性は「医療・介護」「協同組合・郵便局などの複合サービス事業」でメタボ率が高かった。「医療・介護」では、血圧こそ標準だったが、ウエスト周囲径高値、高血糖、脂質異常の3項目で有病率が高い。

 そのほか、脂質異常を来しやすい業種として、男性では「飲食・娯楽サービス」「学術研究、専門・技術サービス」が、女性では「運送業・郵便業」「金融業」などが特定されている。

 従来、シフト勤務や夜勤の多い業種は、生活習慣病の有病率が高く、心筋梗塞や脳卒中のリスク因子であることが指摘されている。体内リズムの乱れや睡眠不足、過食に加えて、ストレスや眠気を紛らわそうとタバコに手が伸びることも一因。本調査でも、男性の「運送業・郵便業」、女性の「医療・介護」などシフトワーカーの健康リスクが浮き彫りにされた。

 意外だったのは、専門技術職や金融業でもメタボ率が高いこと。特に男性は、脂質異常やウエスト周囲径の高値が指摘されている。こちらは「座りっぱなし」や「車移動」の弊害がありそうだ。

 とはいえ、「転職」で疾病予防なんて無理な話。まずは勤務形態の改善を上層部と交渉しつつ、生活習慣の是正に努めよう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)