ITを活用したビジネスイノベーションや新規ビジネスの創出への取り組みとしてタスクフォースを立ち上げたり、専門組織を設置したりする動きがみられる。しかし、組織を設置して担当者をアサインすればそれだけでイノベーションが創出されるというものではない。

企業がビジネスを
創出することの難しさ

 既存事業を保有する一般的な企業(主に大企業)が、ITを活用したイノベーションやデジタルビジネスの創出に対してさまざまな取り組みを展開しようとしているが、その成功率は必ずしも高いとはいえない。

 経営者や事業責任者は、これまで市場を切り開き、自社ビジネスを牽引してきた経験者であり、成功者でもある。そのため、自分達にできたことは、今の従業員にもできるはずだと考えがちである。これまでにも、社内各部門から精鋭を集めたタスクフォースを結成してビジネス創出の企画を練る活動を推進したり、社内公募などによって新規ビジネスのアイデアを収集したりする取り組みは多数行われてきた。

 しかし、ビジネス創出は簡単なことではない。推進メンバーが兼務で、かつ多忙である、権限が与えられていない、既存事業部門の協力が得られない、アイデア出しや役員への報告が目的となってしまうなど、さまざまな理由によって、アイデアがアイデアのままにとどまり、実行に至らないという例も散見される。

社内インキュベーションへの再注目

 インキュベーションは、「(卵などが)孵化する」という意味であり、これになぞらえ、起業家の育成や、新規ビジネスを支援する仕組みを指す。個人やベンチャー企業ではなく、既存事業を持つ企業(特に大企業)が新規事業の創出や新分野の開拓を行おうとする際には、それを発案し、企画・計画し、推進する、すなわち「育てる」ための仕組みと仕掛けが必要となる。そのため、あらためて社内インキュベーションの重要性が再認識されている。

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