辜仲諒氏

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(台北 9日 中央社)最高法院検察署(最高検)特別偵査組(特捜部)と台北地方法院検察署(地検)は8日、銀行法・証券取引法違反などの疑いがあるとして台湾の大手金融グループ、中国信託金融ホールディング(CTBC)の事実上のトップ、辜仲諒氏らの自宅や事務所を捜索した。

特別偵査組の発表によると、CTBCは2003年から2007年の間、辜氏らが管理する口座に、子会社による海外投資の名義でグループの資金を振り込んでいた疑いがあるという。金額は約3億米ドル(約320億円)に上るとみられている。また、2014年から2015年にかけては、台北市内にある不動産を、同社がグループ傘下の中国信託商業銀行に実価を超える高額で売却し、銀行に多額の損失をもたらしたとされる。

さらに、同じ傘下の中国信託人寿保険(中信人寿)が昨年、価格の安い担保品を国宝グループから高額で購入。これにより国宝側が得た利益は数億台湾元に達するという。CTBCは8日午後、これらの容疑を否定する声明を出している。

このほか、国宝グループに対しては、中信人寿と台湾人寿保険の合併にあたり、インサイダー取引を行った疑いなどが持たれている。

検察側は辜氏を事情聴取後、保釈金を1億台湾元(約3億3000万円)に設定し、出国を禁じた。9日朝に保釈された辜氏は報道陣に対し、「なぜ特捜に呼ばれたのか分からない」「これは誤解だ」と釈明した。一方、国宝グループの朱国栄総裁は、証拠隠滅を図ったとして、勾留が決まった。

CTBC傘下の中国信託商業銀行は2014年、東京スター銀行を買収した。外国銀行が日本の銀行を買収するのはこれが初めてだった。

(游凱翔/編集:杉野浩司)