マーリンズ・イチロー【写真:田口有史】

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今季3度目の猛打賞で残り29本、「球宴までに3000本に到達する可能性」

 マーリンズイチロー外野手が8日(日本時間9日)の敵地ツインズ戦に3試合連続で先発出場し、5打数3安打1打点1得点と活躍した。「1番・DH」でスタメンに名を連ね、今季3度目の猛打賞でメジャー通算2971安打として、3000本へ残り29本。金字塔に迫るイチローの好調ぶりに、MLB公式サイトは7月12日(同13日)に行われるオールスター前にマイルストーンに到達すると分析している。

「プレー時間が増えると共に、イチローは3000本まで急上昇」とのタイトルが付けられた特集では、「イチローは5-7で敗れたターゲットフィールド(でのツインズ戦)で3安打1得点1打点。彼は今週ここで行われた2試合でマーリンズの数少ない光明となっている」と絶賛。背番号51はツインズ戦2試合で10打数5安打をマークし、一気に加速している。

 そして、絶好調のメジャー最年長野手はメジャー史上30人目となる通算3000安打の金字塔に、予想を遥かに超えるスピードで到達するとも記事では分析している。

「おそらく、より感銘的なことは3000本に到達するペースだ。今季開幕時にはパートタイムの選手になると予想されていたが、ベテラン外野手は公平な打席を手にしている。特にここ2週間の間だ。コンスタントな出場機会を手にしているために、イチローはオールスターまでに3000本に到達する可能性がある」

指揮官は今後の起用法を明言せず、「どれだけの出場機会を手にするか分からない」

 マーリンズは主砲のジャンカルロ・スタントン、クリスチャン・イエリッチ、マルセロ・オズナという若きレギュラー外野トリオがメジャー屈指と呼ばれるほどの高い評価を手にしている。ドン・マッティングリー監督もこの3人の起用を最優先することを明言してきたために、当初は今季中の3000本達成を危ぶむ声もあった。

 だが、イエリッチとスタントンの故障に加え、イチローが開幕から好調を維持していることもあり、出場機会が限られた中でもハイペースでヒットを積み重ねている。今季109打数36安打で打率.330。規定打席未満ながら、野手ではチームトップのイエリッチ(.321)を打率で上回っている。

 特集では、7月12日に開催されるオールスターまでに3000本の金字塔を駆け抜ける可能性を指摘。Xデーは1か月以内という声がアメリカで出てきた。

「どれだけの出場機会を(イチローが)手にするのか分からない。我々の外野手は若いので、時には彼が打席に立つことが難しいと思うかもしれない。だが、野球のシーズンの中では、選手は怪我をすることもあるし、欠場することもある。こういうアメリカン・リーグの試合はマッチアップ的に彼がフィットする」

 記事によると、マッティングリー監督はこのように話し、イチローの今後の起用法について明言しなかったという。ただ、ア・リーグ本拠地での交流戦ではDH制度があるために、4番手の外野手という位置付けのイチローを積極的に起用できている。

 さらに、指揮官は「イチは今夜良かった。彼にとってはいいマッチアップだと思ったんだ。リッキー(相手先発ノラスコ)はイチローにピッタリの対戦相手だった」とも記事の中で話している。イチローの奮闘はマッティングリー監督にとっての嬉しい悩みの種になっているのかもしれない。