(写真左から)日本代表スクラムハーフの田中史朗選手、男子 15人制ラグビーの薫田真広DOR

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日本ラグビーフットボール協会は2016年6月2日、「リポビタンD チャレンジカップ2016 日本代表 vs スコットランド代表戦」に向けた記者発表会を開催した。

男子 15人制ラグビーの強化責任者である薫田真広ディレクター・オブ・ラグビー(DOR)と、日本代表スクラムハーフでパナソニック ワイルドナイツ所属の田中史朗選手が登壇し、今回の試合に対する意気込みと、日本で開催されるラグビーワールドカップ(RWC)2019への思いを語った。

田中選手「嫌われ役もいとわない」

日本代表は今月、テストマッチ(フル代表のナショナルチーム同士の国際試合)3試合を戦う。対カナダ戦は、敵地バンクーバーに乗り込んで6月11日に行われる。残りの2試合は日本国内で、どちらもスコットランドが相手だ。18日が豊田スタジアム(愛知県豊田市)、25日が味の素スタジアム(東京都調布市)で開催される。両試合とも19時20分にキックオフ。

日本ラグビー協会は今回の対戦について、国内外で活躍する日本代表選手が集結する重要な試合と位置付ける。ケガで手術を受けた五郎丸歩選手とリーチ・マイケル選手は代表メンバー33人から外れたものの、観戦のため帰国する予定。

同協会がスコットランド戦を重視するのには理由がある。1989年5月28日に秩父宮ラグビー場で行われたスコットランドXVとの試合は、28対24で日本が金星を上げ、ラグビー愛好家の記憶に残る名勝負として現在も語り継がれている。その2年後に開催されたRWCで、日本はジンバブエ戦でRWC初勝利を収めた。

2015年のRWCで、強豪国の南アフリカに日本が34対32で歴史的な勝利を収めたのは記憶に新しい。対戦国はおろか世界中に衝撃を与えた大金星だった。しかし4日後に行われたスコットランド戦では45対10で敗れている。その後、同じブロックのアメリカとサモアには勝利したので、スコットランドを倒していれば予選を全勝で通過できた――。敗北の理由について田中選手は、記者会見の席でこう振り返った。

「前回のスコットランド戦は休みが短かったというのもあるが、南アフリカという世界トップクラスのチームに勝って全員が舞い上がってしまった」
「RWCは短い期間で激しい試合が続く。その中でいかに次の試合に集中できることが大事。勝ったことで自分たちに対して甘さが出てしまった。その結果が敗戦になった」

リベンジは日本代表が共有する思いだろう。薫田DORも「2019年RWCで日本代表が前回以上の成績を残すため、スコットランドは最高の相手だ」と語気を強める。

過去の対戦結果が示すように、18日と25日のスコットランド戦はラグビー日本代表の歴史に新たな1ページを刻むかもしれない。とくに25日の味の素スタジアムは、19年RWCの開幕戦の舞台に決まっている。

15年RWCで日本が活躍した結果、五郎丸選手のように海外のチームに移籍する日本人選手が増えている。海外組の経験値が上がっていくことで、田中選手は「日本のラグビーは強くなっていくと確信している」と話す。スタジアムに足を運べば、あの南アフリカ戦のようなドラマを直接目撃できるかもしれない。

会見に登場した田中選手は人柄の良さでチームメイトから慕われる存在だ。報道陣との質疑応答でも献身的な発言が印象深かった。

「日本人は目上の人に対してものが言えない。そういう部分を(自分が)若い人から聞いて、上にしっかり伝える連絡役をやっていきたい。チームをまとめるために『嫌われ役』をやっていきたい」

田中選手は協会に対しても臆することなく物申すことがあるという。そんな人物を記者会見に登場させたのは、協会の懐の深さによるものというのはうがちすぎだろうか。彼がいれば、日本ラグビーの将来は大丈夫だろう。

スコットランド戦の前売料金はSS指定席(メイン)が8000円で自由席一般が3000円。S/A/B指定席はスタジアムによって料金が異なり、C指定席は味の素スタジアムのみ設置される。

チケットはオンラインで購入可能だ。チケットラグビーをはじめ、セブンチケット、ローチケHMV、イープラスほかで発売している。詳細は日本ラグビー協会のサイトまで。