NHK総合『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』。(NHK総合 毎週木曜22:25〜)。第7回(6月2日放送)のコントは「プラス車掌」「妖怪どうしたろうかしゃん」「囲み取材」「サプライズプロポーズ」の4本。シリーズキャラクターが3人も登場する回となった。


ドSの星野、リアクションできなかったムロ


「妖怪どうしたろうかしゃん」では、森で道に迷った星野源と石橋杏奈のカップルの前に、妖怪どうしたろうかしゃん(ムロツヨシ)が「どうしてやろうか!」「シャー!」と勢い良く登場。

怯える2人だが、この妖怪が自分たちの言うことを素直に聞くことに気づく。どうしたろうかしゃんはノープランで登場して相手の言うとおりにする、“平成の指示待ち妖怪”なのだった……。

と、ここまではシリーズの流れ通り。「妖怪どうしたろうかしゃん」の終盤は、星野源からムロツヨシに無茶振りが飛ぶのがお約束。今回は森の設定にも関わらず、空から紐で吊るされた金ダライが登場。紐はスタジオの天井を通り、もう片方の端は星野が握っている。目が泳ぐムロに、星野がニヤリと言い放つ

星野「まさか、ここ(タライの真下)に立って、この紐を自分で持って、そして自分で切って……リアクションするんじゃないだろうな……!」

指示待ち妖怪なので、言うとおりにしなくてはならないムロ。紐とハサミを渡され「高さは自分で調節可能だ」と完全にパスを渡される。フーフー息をしながら、「一応言うと、3日前から首を痛めているシャー……」とアドリブを交え、「そうしてやろうか!」と紐を切断!

……が、落下したタライはムロの頭上80cmほどの所で停止(※予定通り)。「……どうしたらいいシャー?」とリアクションができないムロ。「まさか……この空気のまま帰るんじゃないだろうな!」と追い込むドS星野。「ご期待に添えなくて、反省しているシャー……」とムロがハケてコントは終了した。

「どうしたろうかしゃん」はどうすればよかったのか


このムロのリアクションについて、続くスタジオトークでの「反省会」が面白かった。“俳優”のムロツヨシに対し、“芸人”サイドから「リアクション前後の見せ方」を伝授しているのだ。

塚地「(紐で)高さが調整できますよって一言入れてるっていうことは、やっぱりアレ使ってほしい……。これくらい動くんだってやって、この辺にしようかな、いやでも怖いから近めでとか、そのための紐の調節ですし」
内村「あれが塚地だったら、切るまでに5分かけてる」

それでも言い訳するムロに対し、星野は「リアクションって、タライが落ちてからだけですかね?」と横の塚地に振る。「いや、違うと思いますよ?」と乗っかる塚地。

塚地「終わったあとの(タライが止まった)時に、これが届かないようにできてたんですよ、ってことですから、あの感じだとヘタしたら操作ミスなのかな?ってなるから」
田中「確かに確かに」
塚地「やっぱり言ってほしい。ここで止まるんだったの!?シャーシャー!って」
内村「塚地だったら、切ったあと、5分」

ムロは「指示待ち妖怪ですよ、指示が無いとさらっとやっちゃいますよ」と言い訳していたが、これは言わば台本通りに進行することが前提の言葉。対して、芸人たちの言葉は台本からはみ出ている。笑いを生むために、客に何をどう見せるか、そして自分がどう動くかという現場のノウハウだ。

芸人と俳優が融合した『LIFE!』の現場は、カメラが回っていない時でもこんな会話をしているに違いない。その裏側を垣間見た気がして嬉しい。

今日の名言


第7回の『今日の名言』は「プラス車掌」から。「皆さんへささやかなお願いをさせていただきます」と巡回するプラス車掌、内村光良の切符を拝見すると共に「あなた!コントとコントの合間に、シャンプーしすぎ!」と指摘して、この一言。

「NHKにコントを撮りにきているのか、シャンプーをしに来てるのか、ハッキリさせて〜ください。」

固めてセットしたり、ズラをかぶったりするので、髪が気になるのはわかる。しかし、あまりにまめにシャンプーをするので「シャンプーとシャンプーの合間にコントをしているのでは」と疑惑をぶつけるプラス車掌。

『LIFE!』第4シーズンを振り返ってみると、これまで内村光良が出演したコントは全部で20本。そのうち、ズラや帽子をかぶらずナチュラルヘアで出演しているのは「プラス車掌」2本と「心のベストソング」(4/28,#3)、「サプライズプロポーズ」(6/2,#7)の4本のみ。

それだけキャラクターを毎回作り込んでいる証拠だけども、残り16本のコント終了後の全てでシャンプーをしているなら……確かに多いような……。

「いいじゃねぇかシャンプーくらい」とボヤくウッチャンに、「頭皮が心配で〜す」と切符を返すプラス車掌であった。

今夜6月9日(木)放送の『LIFE!』第8回では、以前から「シャッフルコントがやりたい」「ゲスがやりたい」と言っていた内村座長が、ついにゲスニックマガジンの記者に!ゲスのコントが2週連続なんて、いい仕事だなぁ〜。

(井上マサキ)