毎回好評をいただいている銀座の美人ママによるメルマガ『銀座ママ日高利美のメールマガジン「銀座の教え」』。今回は、誰もが耳にしたことがある「同伴」という水商売独自のシステムについて。同伴をするとホステスさんにどんなメリットが? そしてあまり聞かない「店前同伴」とは? 遊び慣れている人も、そうでない人も、ちょっと覗いてみたい夜の銀座のヒミツをお教えします。

「同伴」という言葉をご存知ですか?

一般的に「同伴」とは一緒に連れて(連れ立って)いくこと。

父兄同伴とか夫人を同伴するとかのように使われます。

ですが、夜の世界の「同伴」とは「同伴出勤」のことで「ホステスがお客様と一緒にお店に入ること」を意味します。

前号ではお客様もホステスさんもお店側も楽しく良い関係でいられるために「同伴には暗黙のルールが存在」するということをお伝えし、同伴について「お願い」という形で「同伴の暗黙のルール6つ」を書かせて頂きました。

今回も「同伴」について書かせて頂いてみようと思います。

銀座のホステスさんはお店に入店する時に「ノルマ」や「ペナルティ」を言い渡されることが殆どです。

「ノルマ」とはお店が設定している目標のことで月の同伴の回数や月の指名数、パーティ期間中の集客組数、月の最低売り上げの設定など、お店によっては個々に話し合いなどで設定されていて人によって回数や報酬金額が違ってきます。

達成されないとペナルティを受けることになります。

「ペナルティ」とは基本的に罰金のことで、遅刻や当日欠勤、無断欠勤、ノルマ未達成などの守らなければいけないそのお店の規則を守れなかった時に報酬から引かれるお金のことです。

そのホステスさんを雇うにあたってお店側として最低限達成して欲しいことをノルマとして伝え、そのホステスさんがノルマを達成できる前提で報酬を決めています。

ですので、達成できなければペナルティとして報酬から罰金として引かれてしまうということです。

強制同伴日があるお店もあるので、月に4回から8回くらい同伴しなければいけない日があるホステスさんもいることと思います。

ノルマもペナルティも入店当初はないと言っているお店も3カ月ぐらい経ってくるとノルマやペナルティを課してきて、達成できないホステスさんと話し合いの場を設けることもしばしばなのではないでしょうか?

お店側はノルマやペナルティをホステスさんに課すことでお店側のリスクの軽減を図っているわけです。

ですが、私のお店…ルナピエーナには本当にノルマもペナルティも存在しません。

理由は私がルナピエーナをオープンさせた2001年より前に働いていた時に遡ります。

私は自分のお店をオープンさせるまで銀座で6軒のお店で働かせて頂きました。

18歳の時に初めて勤め一週間でクビになったクラブの後、2年ほど働かせて頂いていたルルド2というお店はホステスさんが常時4、5人の小さなお店でノルマやペナルティがないお店でした。

もちろん、お客様から誘って頂いた時には同伴させて頂いていたのでのですが、お店からの強制ではありませんでした。

その環境に慣れていたこともあり、20歳の時に選んだベルディというお店もホステスさんが常時5、6人の小さなお店で売上のホステスとして月々お店側との契約で一定以上の金額を売り上げる契約で雇って頂いたのですが、条件として強制のノルマやペナルティがないと言う形で2年ほど働かせて頂いていました。

こうして私を雇うことでお店側が私に望む売上げ以上の利益を提供すればノルマやペナルティを課されないことを知っていた私は、その後に働かせて頂いたお店とも「交渉」し「条件」を提示して、ノルマやペナルティを課されることなく働かせて頂いていたのです。

次ページ>>利美ママが自分のお店のホステスにノルマやペナルティを課さない理由

26歳の時にルナピエーナをオープンし経営者になったのですが、私のお店ではノルマやペナルティはホステスさんに課さないと決めました。

理由は

『ノルマやペナルティを女の子に課すことはお客様にノルマやペナルティを課すことになる』

と考えていたからです。

お客様に楽しんで頂くことが私たちの仕事なのに、こちらの都合をお客様に押し付けることは失礼なことだと考えていたからです。

ペナルティに関しては「ペナルティに該当すような内容のことを私はおかさないから設定する必要はありません」と強気に突っぱね、自分で自分にプレッシャーを与え、遅刻をせず、39度近い熱があり体調が優れない時にも出勤しました。

どうしてそうしたのか?…それは…

日頃から、可愛がって下さっているお客様を大切にしたかった。

ただ、それだけでした。

だからこそ、お店側に条件を受け入れてもらえるよう、お店側が提示してきていた月々の売上げ以上に売り上げて、お店側に利益をもたらすために自分自身で目標金額を掲げてそれを達成し続けました。

そうすることで、お店の中でも私の担当のお客様のお席に座って欲しいと思っている心遣いが出来るホステスさんや魅力的なホステスさん、お客様が気に入っているホステスさんをお席に呼べたり長く座ってもらえたりして、お客様に楽しい時間を過ごしてもらえるからです。

一週間の中でも月曜日は静かな日になりやすい曜日なこともあり、毎週月曜を強制同伴日と決めているお店もありますが、曜日に関係なく銀座に出ていらっしゃる方は沢山いらっしゃいますし、お客様がみえたい時にみえて頂くことが大切なのではないかと思うのです。

そのためにお客様が足を運びたくなるお店、会いたくなる人を育てること、そして、何より自分自身が会いたいと思ってもらえる人になることが大切なことだと考えています。

そのためにはお店で働いてくれているスタッフに「楽しく働く」ことをお願いしています。

どうすれば自分自身が楽しく働くことが出来るのか常に考えて行動することで、その楽しいという気持ちがお客様にも伝わるし、お店の雰囲気にも繋がっていると感じています。

次ページ>>謎の「店前同伴」というシステム

同じお店で働いていても売上げのホステスさんの「契約」の内容は人それぞれ。

高級クラブと呼ばれるお店の売上げのホステスさんの中には1億円売り上げる契約をして、その売り上げを8カ月で達成する女性もいます。

銀座の夜のお店は土日祝日がお休みのお店が殆どなので、月の営業日数は平均すると20日くらい。

1億円を8カ月で売り上げるとして1カ月、平均1,250万円ということは、1カ月の営業日数を20日とすると…

ひとりで1日平均625,000円を売上げているホステスさんもいるわけです。

1日に何組もお客様がみえて下さる時には、他のホステスさんにお客様を任せてお席を離れるため、先ほども書かせて頂いたように、お店の中でも自分の担当のお客様のお席に座って欲しいと思っている心遣いが出来るホステスさんや魅力的なホステスさん、お客様が気に入っているホステスさんをお席に呼べ長く座ってもらえて、お客様に楽しい時間を過ごしてもらえるよう担当のホステスさんが日々、努めてくれていることを夜の銀座で飲んで下さっているお客様はよくご存知です。

ですので、ご自身の利益に一見するとならないようにみえることをなさって自分の担当のホステスさんのことを応援してして下さることがあります。

例えば「店前同伴」…店前同伴とはお食事はせず20時30分前にお店に一緒にはいることです。

待ち合わせの場所は大抵がホステスさんが働いているお店が入っているビルの1階。

ただ一緒にエレベーターに乗ってお店に入るだけなのに、しっかり同伴料が伝票にのっていたりします。

同伴料はお店や担当のホステスさんによって違うと思いますが、大体2,000円〜5,000円くらいでしょうか…。

「えっ!?エレベーターに乗って一緒にお店に入るだけで同伴料までとられるなんて…なんなのそれ?それなのになんで店前同伴なんてするの?」

と思われる方が大半なのではないでしょうか?

銀座で飲まれているお客様は、ホステスさんたちがお店側からノルマやペナルティを課されていることをご存知です。

ですので、担当の女性がノルマを達成できなくてペナルティをお店側から課されることのないよう支えて下さっているわけです。

銀座のお客様はなんて優しくて心が広いのかしら…と思いますし、お客様がよしとするならいいのかなと思いますが、個人的には店前同伴は何と言ったらいいのか…

理解しがたいシステムです。

続きは次回…

image by: Shutterstock

 

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10歳の時の夢を叶え銀座のオーナーママになった利美ママのメールマガジン。22年間、夜の銀座でたくさんの男女と出会ってきたからこそ知っている人との接し方や心遣い、恋愛や結婚などの男女の関係や仕事での人間関係などが上手くいく秘密、銀座界隈でのデートや接待でつかえるお店や誕生日やお祝い事、ちょっとしたお礼に喜んで頂けているプレゼントなども紹介します。初月無料。
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出典元:まぐまぐニュース!