哺乳瓶は中耳炎のもと?

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やっぱり赤ちゃんは、乳首から母乳を吸わせて育てるのが一番健康によいようだ。

人工ミルクはもちろんのこと、たとえ母乳でも搾乳して哺乳瓶で与えると、中耳炎になるリスクが2倍以上に高まるという研究を、米のネーションワイド小児病院研究所がまとめ、米の小児科学誌「Journal of Pediatrics」の2016年6月号に発表した。

母乳には免疫力があるのに...

研究チームは、乳児の中耳炎の発症と授乳方法との関連を調べるために、491人の母親とその1歳までの乳児を対象に、様々な方法で授乳してもらった。その方法は母親たちの希望も配慮して、次の方法で行なった。

(1)直接乳首から母乳を与える(直母)。

(2)人工ミルクを哺乳瓶で与える(人工乳)。

(3)母乳を搾乳して哺乳瓶で与える(搾乳)。

実際は、母乳だけで育てたのは106人だけで、対象者の4分の3が人工乳も含めた3通りの組み合わせで授乳した。また、母乳だけの母親でも、ある時期は直母、ある時期は搾乳を組み合わせて授乳した。そこで研究チームは、それらの授乳方法の時期を細かく記録し、統計的な分析法で中耳炎の発症との関連を調べた。

その結果、次のことがわかった。

(1)一般的な乳児の中耳炎発症率に比べ、生後6か月の間に1か月間直母を飲むだけで発症リスクが4%減る。また、6か月間ずっと直母・搾乳を組み合わせて飲み続けると、発症リスクは17%減る。

(2)しかし、生後6か月までの間に1か月間搾乳を飲むと、発症リスクは14%増加する。そして、6か月間ずっと搾乳を飲み続けると、発症リスクはなんと115%も増加する。2倍以上だ。

母乳には免疫力があるので、耳の感染症である中耳炎を予防する効果があることはわかるが、同じ母乳を搾乳して哺乳瓶で飲ませると、なぜ中耳炎の発症リスクが高まるのだろうか。

哺乳瓶を吸うときにかかる「陰圧」に原因が

研究リーダーのサラ・カイム博士は、こう説明している。

「中耳炎がなぜ哺乳瓶での授乳に関連があるかはよくわかりませんが、赤ちゃんが哺乳瓶を吸う時に陰圧がかかることが影響している可能性があります。この陰圧が、哺乳瓶から赤ちゃんの中耳に移り、耳の感染症を誘発している恐れがあります」

ママの乳首の力は偉大である。