学生の窓口編集部

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「近年日本各地で大雨が多いなあ」なんて思うことはないでしょうか。実際に大雨は増加傾向にあるのです。これは地球温暖化による気候変動の一環としてのことと推測されています。では、日本はどのような気候変動に直面することになるのでしょうか!?

地球温暖化による気候変動のリスクが言われだしてからかなり時間が経過していますが、この件について現在までにIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の評価報告書が第5次(AR5)まで公表されています。これは世界中の専門家がその知見を結集したもので、非常に示唆に富んだもの。地球温暖化の進行は人為的なものが原因であることはほぼ間違いないと指摘しています。

■大雨はたしかに増加傾向にある!

日本の気象庁でも現在までの観測結果を積み上げて、以下のようなデータを公表しています。

●日降水量100mm以上および200mm以上の日数は106年間で有意な増加傾向がある
●最近30年間(1977〜2006年)と20世紀初頭の30年間(1901〜1930年)を比較すると100mm以上日数は約1.2倍、200mm以上日数は約1.4倍の出現頻度

つまり、大雨の回数はたしかに増加傾向にあり、「こうした長期的な大雨日数の増加に、地球温暖化が関係している可能性があります」としているのです。

また、1901〜2006年の106年間を前半53年と後半53年に分けて、全国51地点における「50年に1回の日降水量」および「100年に1回の日降水量」を算出(確率降水量の計算手法を用いています)すると、全国51地点で、この106年間に「50年に1回」また「100年に1回」とされる強度の大雨が増加傾向にあることが分かっています。

⇒気象庁「異常気象リスクマップ」
http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/riskmap/heavyrai...

■台風の発生件数は減る!? しかし……

日本の国土には台風が頻繁に上陸しますが、防災上の観点から、国土交通省では「地球温暖化と台風の関係について」以下のようなデータを公表しています。

「気象庁気象研究所や財団法人地球科学技術総合推進機構を中心とする研究グループによる21世紀末頃を想定した温暖化予測実験によると、全球的な熱帯低気圧の発生数については、現在気候再現実験における発生数よりも30%程度減少する一方、海上(地上)の最大風速が45m/sを超えるような非常に強い熱帯低気圧の出現数については、地球温暖化に伴って増加する傾向がある」と。

⇒国土交通省「コラム・事例 地球温暖化と大雨、台風の関係」
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h17/hakusho/h18...

まとめてみますと、地球温暖化における気候変動については、まだまだ研究が必要で、どのような変動があるのかもっと長いスパンで見ないといけないのですが、

・大雨の降る回数が増える
・台風自体の発生回数は少なくなるものの、1個ずつの台風が強力になるのでは

という予測がされているわけです。これからの季節、雨が降ることが多くなります。地盤が緩んで土砂崩れが起こるという事態もあり得ます。たかが雨と侮らず、十分に注意してください。

(高橋モータース@dcp)