五輪の本登録は18人(OA含む)。6月10日締め切りの予備登録メンバー35人から絞り込まれる。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 今年の2月19日、当時日本サッカー協会の技術委員長だった霜田正浩氏がオーバーエイジ(以下OA)枠について「最強チームを作るため、使う方向で考えている」と明言。Jリーグ強化担当者会議でその了承を得たうえで、予備登録(派遣手続き)の締め切りが6月10日である旨を公表した。

 リオ五輪では予備登録が義務付けられており、締め切りの6月10日以降は追加できない。つまり、予備登録(23歳以下とOAを併わせて35人)されなければ、8月の本大会に出られないわけだ。

 OAとして登録できるのは3人まで。2012年のロンドン五輪では、派遣手続きの締め切り時点でCBの吉田麻也、DFの徳永悠平、GKの林彰洋(林は最終的にバックアップメンバー)がOAとして発表された。当時のU-23代表はトゥーロン国際大会でグループリーグ敗退。3試合で7失点を喫した守備の立て直しが喫緊の課題だったこともあり、その3人が選ばれた。

 日本サッカー協会によれば、前回と違って今回は予備登録の段階でOAを公表するかは未定だという。
 最終キャンプ地のブラジル・アラカジュに出発するのは7月21日。男子サッカー競技の開催期間は8月4〜20 日で準決勝に進出した場合、国内組のOAはJ1リーグの5試合(7月23日の第2ステージ5節〜8月20日の同9節)に出場できない。

 23歳以下の選手も、J1は7月17日、J2は同20日のリーグ戦を終えてから代表チームに拘束される決まりになっている。

 欧州組については「ポイント5」で詳しく触れるが、拘束期間中は7月下旬にチャンピオンズ・リーグとヨーロッパリーグの予選3回戦、8月中旬に同コンペティションのプレーオフが開催される。来季はプレミアリーグが8月13日、セリエAが同21日、ブンデスリーガは26日に開幕予定。欧州のクラブにとっては爐呂震堆任淵ーバーエイジ〞だろうか。
 OAの拒否権は、Jリーグのクラブにはない。4月7日に日本サッカー協会が書面で、全クラブに「1クラブ3人(23歳以下+OA)までの派遣」を要請済。Jリーグの副チェアマンである原博実氏も、5月10日に「(1クラブ)3人までは協力しましょう、となっている」と明言し、Jクラブからの招集には事実上強制力があることを認めた。

 なお、その3人にはバックアップメンバー(本大会登録18人の誰かが負傷時に入れ替え可能な選手)も含まれる。

 日本サッカー協会も手倉森誠監督も、その強制力を盾に選手を引き抜く考えはないが、クラブには協力する義務がある。

 ただ、欧州組のOAは例外。FIFAが招集に応じなければいけない通達を出していないため、判断はクラブに委ねられる。23歳以下の欧州組にも前回大会と違って強制力は現時点でないが、南野拓実(ザルツブルク)と久保裕也(ヤングボーイズ)についてはクラブの協力を取り付けているという。
 3―0と快勝した5月11日のガーナ戦後、手倉森監督は会見の席でOAについて訊かれると「怪我人が相次いでいる中列(攻撃的MF)とSB、あとはもう少し前(FW)に収まりが欲しい」とコメント。確かに、他よりも戦力的な不安が大きいポジションであり、OAの必要性は高いだろう。

 FWは、1月のアジア最終予選まで前線の軸として貢献してきた鈴木武蔵(新潟)がようやく負傷から復帰したところだが、万全なコンディションとは言えない。
 
 また、ガーナ戦から3日後に思わぬアクシデントが起きた。5月14日の川崎対神戸で、CBの奈良竜樹(川崎)が左脛骨を骨折。全治4か月で、リオ五輪の出場が絶望的となってしまったのだ。

 さらにトゥーロン国際大会のパラグアイ戦で岩波拓也(神戸)も膝を負傷。現時点で登録メンバー入りが当確のCBは鹿島の植田直通ひとりで、選手層に大きな不安 を残す。岩波の状況次第では、ロンドン五輪と同じく守備陣の再編が喫緊の課題になるかもしれない。