新生・なでしこについて佐々木氏「新しいメンバーの試みが見られた」

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▽10日に開幕を迎えるユーロ2016を前に、同大会を全試合生放送するWOWOWが、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督と前なでしこジャパン監督である佐々木則夫氏のスペシャル対談を実施。収録に先駆けて、佐々木氏が囲み取材に応じた。

▽佐々木氏はまず、先日、高倉新体制の下で初陣を切ったなでしこジャパンについて言及。3年後のワールドカップを目指して、今後の活躍に期待しているとコメントした。一方ユーロについては、女子の選手たちにも見てほしい大会だと主張。さらに初の解説に向けた意気込みも語った。

佐々木則夫氏(前なでしこジャパン監督)

――なでしこのアメリカ戦2試合を外から見ての感想は

「これからなでしこは3年後のワールドカップに向けた準備を進めていきます。今回はそういうスタートです。第1戦、第2戦を見て、今は様々なメンバーを使うことが一番かなと。結果どうこうよりも新監督のイメージを持ったサッカーができるかどうか。そういうものを新しいメンバーの試みが見れました」

――佐々木氏が指揮を執っていた頃と変わったところはあったか

「メンバーですね(笑)。次の3年を見据えてのメンバーたちを積極的に選考しています。僕が最初の頃は、日本の良さは細かなパスワークのサッカーをしていました。ただ、今は世界が組織的で守備が堅い。そこに日本らしさを出したチームを作って2014年までやってきました。高倉さんも阪口を中心にパスで強固な守備を崩す試みが見えました。それを試みながらも、世界と戦って、それを貫くのか、サイドチェンジを含めた長いボールも取り入れたサッカーに変化するのか」

「守備についてはこれからだと思います。個々の判断、グループの判断だけでなくチームの戦術要素があります。どうやってボールを奪いたいのか。それをこれからやっていくのかなと。アメリカとの第1戦はコンディションが悪い中、そして第2戦はロイドがいない状況でしたが、これらの試合はこれからの財産になると思います。残念ながら雷の影響で早めに終終わりましたが、選手やスタッフはあの試合を指標に頑張ってもらいたいと思います」

――楽しみな選手は

「千葉選手は知らなかったですが可能性は感じられました。まだまだこれから新監督が新たな選手を起用するでしょう。U-20女子代表でプレーした選手などもこれから呼ばれると思うので、楽しみです。そしてアメリカ戦では山根が今までの中で見たことないほど良いプレーをしていました。試合は負けましたが、あの戦いを自信にして大きく進化してもらいたいと思います。そして10番を着けた阪口は自分のプレーだけでなく、もっと声出せと。相手の状況、自分たちの状況も見て、的確な指示を出してもらいたい。阪口は特に成長してもらいたいと思います」

――ユーロ大会に向けて楽しみなのは

「前回のユーロはスペインが優勝しました。バルセロナの選手が多くポゼッションのサッカーが非常に進化しつつありました。ただ、(2014年の)ワールドカップではスペインがグループステージで敗退しています。つまり、ポゼションのサッカーから進化しているのが見えたのがワールドカップでした。今回のユーロでもその流れが見えそうだと思っています。ワールドカップで兆しがあり、ユーロで進化する。そういう意味では非常に楽しみです。女子もポゼッションだけではなく速さの質が問われています。なので、ぜひ女子の指導者もユーロをチェックしていただきたいと思います」

――楽しみチームや選手は

「イングランドが優勝していません。非常に驚きであり、個人的にはイングランドに頑張ってほしいなと。ただ、安定感はドイツ、フランスですね。そんな中、今回は選手たちが非常に若い。皆さんにあまり知られていない良い素材の選手がいます。ニューヒーローを感じてほしいですね。調べている中で、すぐに名前は出てこないですが(笑)。若手で才能ある選手が登場するので注目してほしいですね」

――女子の指導者にもユーロを見てもらいたいとのことだが、どういうプレーやどういう選手を見てもらいたいか

「男子のレベルの高い試合を見ることは大事です。参考になりますね。女子も男子化、男子のスタイルに近づいています。2008年の頃はそうではなかったですが、今はそういう変化が起こっています。当然、パワーやスピードはないですが、イメージの部分での男子化。なので、こういう良い試合は必ずチェックすることが大事です」

――なでしこの監督時代にも男子のプレーを見ていたか

「見ていました。男子のプレーを見せてイメージを持たせるようなこともしましたね」

――初めての解説だが

「しっかりチェックしてきたいなと。あの5番良いななんて言っていたら、すごく有名な選手だったり(笑)。ただ、僕はそこよりも少し内容面。システムはこういう特長のあるシステムになっているとか。玄人好みの解説ですね。タレントの名前は間違えやすいので(笑)。あまり名前言わない方が良いかな」

――解説していると現場復帰したいと思うこともあるのでは

「全然沸かない(笑)。今はそういう感じではないですね。ただ3、4年経てばムズムズしてくると思います。今は全然思いません。様々な私見を勉強して、そこで一回り大きく成った指導者になれれば良いですし、もしかしたらサッカー界から足を洗って、おじいちゃんになってサポーターになっている可能性だってあります」