ユーロ観戦を進めるハリルホジッチ「欧州はサッカー界の頂点であり、世界最高峰の大会」

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▽10日に開幕を迎えるユーロ2016を前に、同大会を全試合生放送するWOWOWが、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督と前なでしこジャパン監督である佐々木則夫氏のスペシャル対談を実施。収録に先駆けて、ハリルホジッチ監督が囲み取材に応じた。

▽ハリルホジッチ監督はユーロについて「欧州はサッカー界の頂点であり、世界最高峰の大会」とコメント。サッカー界のトレンドを知る上で、サッカー選手だけでなく指導者やファンの方たちにも見てもらいたい大会だと語った。



ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(日本代表)

――ユーロはどういった大会になるか

「世界中の指導者が見るはず。監督なら見るべき大会。今はご存知の通り、欧州はサッカー界の頂点であり、南米で行なわれているコパ・アメリカとはプレースタイルが違うが、最高峰の国際大会だ。今年から24カ国になったことは興味深い。とはいえ、ほとんどベストチームが予選を通過して良い大会になるだろう。正直に言えば、どのチームもチャンスがある。波乱もあるだろう。歴史をさかのぼってもユーロは波乱が多い。親善試合でスペインがジョージアに負けたことからもわかるように読めない。欧州のチャンピオンズリーグなど各国リーグでも波乱が起きている。ユーロもそういうサプライズがあるだろう。そういう意味で面白い、予測できない大会になるはずだ。10チーム程度が優勝候補であり、最終的にどこが優勝するかは運も必要。非常に楽しみだ」

――大会の中で楽しみにしているチームや選手は

「フランス代表に注目したい。ピッチ外ではいろいろと嵐のようなスキャンダルが出てきた。ケガ人も相次いだ。ただ、歴史を振り返れば1998年ワールドカップは逆境の中で大会への準備して、そして最終的に優勝した。今回のフランス代表への支持率、人気度は高い。フランスのファンならば誰もが優勝候補というだろう。ただ、そこがプレッシャーになる。また、政治的にも治安の面でもデリケートな時期。政府はベストを尽くして安全な大会運営してくれるだろうから、私は安心している。平和とサッカーへの愛情が勝るような大会になってもらいたい」

――選手の中で代表に欲しい選手は

「そう言った非現実的な話はできない。冗談抜きでいうと、WOWOWのポスターに載っているスターたち、(クリスティアーノ・)ロナウド、(ポール・)ポグバ、(ズラタン・)イブラヒモビッチ、(エデン・)アザール、(アンドレス・)イニエスタ、(マヌエル・)ノイアー、そしてネイマールもだ。特にノイアーは好きだ」

「(2014年の)ワールドカップでアルジェリア代表は、彼がいなければ勝てたかもしれない。あの試合はノイアーで負けた。それくらい存在感がある。今回のユーロも本命が負けるような試合もあるだろう。繰り返すが、どこが本命と聞かれれば10チームほどに優勝あると言いたい。特にクロアチア代表は評価している。台風の目になるだろう。高いレベル、野望もあり、成熟している。年齢も良く、組織も完璧だ。海外メディアでは本命に挙がらないが、私は優勝目指していると思っている」

――(日本代表の選手たちに)参考にしてほしいプレーは

「あらかじめいうと、代表選手だけでなく日本のサッカー選手は見てほしい。当たり前だが、選手ならばサッカーへの愛情を持つべきだ。日本の指導者もユーロを見てほしい。日本サッカーが見るべき点としては、昨日の試合でもそういう課題が見えたが、競り合い、デュエルの部分。一対一のフィジカルだけでなく、試合へのコンディション。1人1人が100パーセントでなければチームのバランスは失われる」

「そして戦術はチームそれぞれに得意なものがある。今回のユーロの中で攻撃型、守備型がある。私はよく聞かれるのだが、どのチームの戦術をモデルにするかと言われる。しかし私は選手によって戦術を考えるから他のチームをモデルにすることはない。ただ、面白いのはイタリア。彼らはユースから同じ哲学で統一されているのは流石だと思う。イタリアの古き良き守備の伝統。下がったブロックから早い切り替えの速攻。そしてスペインはもちろん、彼らを筆頭にフランスやベルギーなどは攻撃型の印象だ」

「見てほしいところは、チームが攻撃型であれ守備であれ、組織の動きは完璧だ。攻め過ぎず、カウンターを受ける危機感を持っている。そこでブロックに戻る速さ。また、セットプレーは欧州のトップレベルで一つの鍵になる。場合によって個人技だけでは勝てない。強豪に挑む時のスモールチームは、セットプレーの戦術が徹底されているので参考にしてほしい。徹底された、練習で繰り返されたセットプレーから強豪相手に点が取れる。私はそれを見たい。比較的に小さなチームのセットプレーは注目だ。どのチームも完璧な準備を行えば強豪を倒す可能性があるということを示してほしい。そういうユーロになれば日本サッカーにもヒントがある」

――日本の選手たちのこれからの課題や伝えたいことは

「昨日のチームもユーロに出ておかしくないチームだ。彼らは反省を踏まえてユーロを見てほしい。あくまで国内組だ。彼らには今のトップレベルを感じてもらいたいし、Jリーグの指導者にも見てもらいたい。ただ、私が言わなくても日本の人たちは見るでしょう。Jリーグとはインテンシティの違い、スピードの違い、攻めた後の切り替え、ブロックの戻し方が違う。全てをハイスピード、ハイレベルで行なわれていて、大いに参考になる」

「私は今回のユーロを全て見る。新たなトレンドもあるだろうし、参考になる部分もある。勉強を兼ねて見に行きたい。必ず全ての試合でノートを取る予定だ。日本が最終予選を突破すればワールドカップのグループに必ず欧州のチームが入る。その時にノートが生かせると思っている。日本の選手、指導者もワールドカップという中期間目標に向けても、今回のユーロを見て、今の日本のサッカーに何が足りないか考えなければいけない。そして私と話して、フィードバックしていきたい」