なんでこんなことやってんだ? なんでこんなことが許されるんだ?

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スバルWRXがマン島でタイムアタックを行ってタイムを更新したという動画が話題になりましたが、初めてこの島の動画を見たひとは度肝を抜かれるのでは? だって公道ですからね! もちろん閉鎖してアタックはしているわけですが、エスケープゾーンなんかないので、ちょっと間違えれば石垣や民家に突っ込むわけです。また、アタックを道端で見ているひとがいるのも恐ろしい。ラリーのSSだって、ここまでデンジャラスなところは珍しいんじゃないでしょうか?

で、ここはどこか? マン島です。マン島ってどこにあるのか? グレートブリテン島とアイルランド島の中間、まさにイングランドとスコットランドとウェールズとアイルランドの真ん中ぐらいというユニークな場所にあるんです。

地勢的にもそういう面白い場所にあるんですが、政治的にも面白いんです、ここ。イギリスの一部みたいな場所にあるんですが、正式には『グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国』(いわゆるイギリスの正式名称)の一部ではなく、イギリスの王室属領なんだそうです。とはいえ、独自の議会、政府を持っていて、自治権を持っている。イギリスの一部のようなイギリスとはちがうような、微妙なポジションなんですね。そして独自の文化を持っているようです。

ちなみに『機関車トーマス』の舞台となっている架空の島『ソドー島』は、このマン島の隣にあるという設定です。そういう、ちょっと神秘的なところがある島なんですね。

で、マン島といえば、バイク好きなら知らないひとはいないでしょう、『マン島TT(ツーリスト・トロフィー)』が行われる場所です。これがヤバい。例のスバルWRXが走ったようなコースを、2輪車でアタックするんです。めちゃくちゃデンジャラスです。本当に、頻繁に死人が出るんです。じつは私も一緒に仕事をしたことがある日本人ライダーのかたが数年前にここで亡くなるという悲しい事故もありました。

動画を見るにはこちら

そんなイベントが許されているのも、“イギリスであってイギリスでない”ような地理的・政治的ポジションにあるからかもしれません。

マン島TTのオフィシャルサイトの記述によれば、マン島TTは、すでに100年以上の歴史があるんですが、そもそもは、1903年にイギリスで20mphのスピード規制が設けられ、レースができなくなってしまったことが発端でした。(ってことは、その前はイギリスにスピード制限などなく、公道でレースをすることが合法だったんですかね?)。でも、『グレートブリテン&アイルランド・カークラブ』のサー・ジュリアン・オードというひとが、1904年にマン島当局にかけあって、マン島でトライアルレースをやる許可を出してもらったんですね。

そして公道レースが始まったんですが、最初は4輪のレースでした。それが1907年から新たに2輪のレースが始まり、途中でコースが変わったりもしつつ、現在に至るそうです。現在でもこんな超危険な行為が許されているのは、イギリスにしてみれば、「オレたちの管理する土地じゃないからいいや」と、マン島政府にしてみれば、大きな収入になるし、「あぶない思いをするのは世界からやってくる命知らずたちだからまあいいか」と思っているのかもしれません。

それでは、スーパーバイクによるファステストラップのオンボード映像もどうぞ。

動画を見るにはこちら

こんなところでアタックをするのは本当に命知らずにちがいないでしょうが、ここで速く走れるバイク、クルマというのは、本当に扱いやすくて基本性能も高い車両なんでしょう。

まぁ、映像を見るとなかなか風光明媚な場所もあるので、全開アタックではなく、バイクでのんびりと走ってみたい場所ではありますね。

(まめ蔵)

 

スバルWRX STIがアタックしたマン島ってどこ? マン島TTとは?(http://clicccar.com/2016/06/08/377271/)