MITが「ブラックホールの姿を捉えるプロジェクト」で新アルゴリズムを開発中。早ければ2017年にも画像化

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マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、ブラックホールの実像を捉えるべく新しいコンピューターアルゴリズムを用いた観測手法を開発しています。ブラックホールはその強い重力のため事象の地平面を堺に光すら逃れられないため、これまで我々は一度もその姿を目することができていません。BBC Newsが伝えるところでは、我々がいる天の川銀河の中心(地球から2万5000光年ほどの位置)にあるブラックホールの(事象の地平面の)直径は、太陽のおよそ17倍ほどしかなく、それを観測するにはこれまでにあるどんな電波望遠鏡よりも巨大なものが必要です。

研究チームのEvent Horizon Telescope(事象の地平面望遠鏡)プロジェクトでは、もちろん単純な望遠鏡を作っているわけではありません。プロジェクトでは、ブラックホールの画像を捉えるために世界に点在する9つの電波望遠鏡を束ねて観測し、そのデータを総合的に分析するVery Long Baseline Interferometry(VLBI)と称する手法を研究しています。

更にチームはそのデータを分析するアルゴリズム Continuous High-resolution Image Reconstruction using Patch priors(CHIRP)を開発中。CHIRPアルゴリズムはVLBIが供給する膨大な観測データに最も正確に適合する画像をモザイク的に組み合わせて超高解像度なブラックホールの画像に仕上げます。CHIRPアルゴリズムには継続的に改良が加えられており、必要なデータと不要なガス・チリなどを示すデータの切り分けの効率化を突き詰めていくことで現実的な画像が得られるようになるとのこと。

研究チームは、2017年はじめにもVLBI観測を実施したい意向で、最終的には何らかの物体がブラックホールに飲み込まていく映像を作ることも可能になるかもしれないと語っています。

なお、Event Horizon Telescopeプロジェクトは、テスト用のデータをとオンラインツールを公開しており、腕に覚えのある開発者なら独自の解析アルゴリズムを開発できるようにしています。もし興味と必要な知識をお持ちなら触ってみるのもおもしろいかもしれません。

我々と一般人としては、科学的に実物に近いと紹介される映画『インターステラー』のブラックホールと研究チームがいつか発表するだろうブラックホールがどれほど似ているか、見比べるのを楽しみに待ちたいところです。

ちなみに、今年3月には日本の国立天文台など日韓合同の観測チームがVLBIを用いた観測を実施し、おとめ座M87の超大質量ブラックホールに見られるジェット噴流の「超光速運動」を捉えるのに成功したと発表しています。