6月5日に実施されたシンポジウムでは“人的支援の矢”の詳細が説明された

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6月5日、公益財団法人・日本生産性本部は、地方創生の深化に向けた人材育成のあり方について議論する「地方創生人材シンポジウム〜地方創生の深化と地方創生カレッジの創設に向けて〜」を開催。地方創生担当大臣・石破茂氏をはじめ、有識者によるパネルディスカッションや記念講演が行われた。

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シンポジウムの冒頭、石破氏は「歴代内閣で、地方のことを考えなかった代はない。しかし今までと違うのは、“今、地方創生をやらないと国が潰れる”ということ。自由で平和で豊かな国を、なんとしても次の世代に繋げなければいけません」と挨拶。内閣府大臣補佐官・伊藤達也氏も「専門性を身につけた人材が、地方では圧倒的に少ないのが現状です。国を挙げて、地域が求める知識と、それに見合った人材のマッチングを進めていきたく思います」と、地方創生に対する熱意を語った。

主賓挨拶に続き、壇上では、株式会社経営共創基盤のパートナー兼代表取締役マネージングディレクター・松本順氏による記念講演も実施。「地方で働くということを、もっと有力で、現実的で、夢のある選択肢にできないか?」という点を課題に挙げつつ、人材活用の事例・成功理由なども併せて紹介された。

そして最後に、内閣府地方創生推進室次長・間宮淑夫氏が司会を務めるパネルディスカッションも展開。5人のパネリストにより、地方公共団体は産・官・学・金・労・言の連携に基づいて、「地方版総合戦略」を策定。積極的な事業展開を推進しているものの、それらに対応できる高度な専門性を有する人材が不足し、まだ実現には至っていないことが言及された。

そうした現状の打開策として発表されたのが、今回の目玉でもある“人的支援の矢”という取り組みだ。人的支援の矢の主な取り組みは、「1:地方創生人材支援制度の拡充」「2:地方創生カレッジの創設」「3:プロフェッショナル人材事業の推進」の3つ。

具体的に見ていくと、1の施策は、地方創生に積極的に取り組む市町村に対し、意欲と能力のある国家公務員や大学研究者、民間人材を、市町村長の補佐役として派遣する…といったもの。これまでは1ヶ月だった応募期間を2カ月に延長し、民間人材の募集対象も一般企業にまで拡大するなど、様々な改善点も発表された。

続いて2の施策は、国の主導のもと、広く養成機関などの参加を得て、人材育成の場を形成する…といったもの。その具体案として、地方創生カレッジを創設。地方創生に必要かつ実戦的なカリキュラムを整備し、高度な専門知識を有する人材の育成に当たるという。現状では、6月中にプラットフォームを立ち上げ、12月にはカレッジの開校を目指す予定だそうだ。

そして3の施策は、全国の潜在成長力がある地域企業に対して、有能な人材の採用支援活動を行う「プロフェッショナル人材戦略拠点」を設ける…といったもの。各拠点は、地域企業の経営者を対象に、成長戦略や人材戦略への関心を引きつけるセミナーを開催。成長が期待される企業に個別に接触し、経営者に“攻めの経営”と新たな事業展開を促すことで、プロ人材に対する明確なニーズを発掘。人材市場への発信に結び付けようという試みだ。また、都市部の大企業との人事交流の拡大や、都市部のプロ人材に対する地域経済の潜在力アピールの場としても、さらなる規模の拡大が期待される。

この度発表された3つの施策が、今後どのように展開し、地方創生を活性化させていくのか?その動向に注目したい。【東京ウォーカー】