日本代表(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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タイムアップの後、ボスニア・ヘルツェゴビナの選手たちはお祭騒ぎになった。ピッチの上で円になり、「カンピオーネ」と大喜びしている。そのはしゃぎっぷりに、このチームが優勝を渇望していたのが浮き彫りになった。

今回のキリンカップの優勝賞金は2万5000ドル(約2800万円)、2位は10万ドル(約1100万円)、3位は5万ドル(約550万円)。この賞金に対戦国がやる気を見せてくれたのなら、決して「むだ使い」ではない。

だが、今回は日本サッカー協会が日本代表強化のためにあえて「むだ使い」をした。それは1992年以降で初めて、3カ国を招待し、トーナメント方式にしたことだ。これまでは、日本、A、Bの3カ国で試合を開催していた。すると日本vsA、AvsB、日本vsBという試合になっていた。Aは1試合目と2試合目が終わると帰り、Bは2試合目の前に来日して日本と試合をすると帰っていく。

だがこれだと日程的に日本がどうしても有利になる。もっと日本代表の強化を行うためには、今年のキリンカップのトーナメント方式にすれば、決勝戦も演出できるし日程的な不公平はない。

しかし問題が一つ浮上した。それは来日する3カ国のうち、1つの国とは対戦できないことだ。そして対戦しなくとも、チームを呼ぶコストはかかってくる。

その「むだ使い」が体調を整えたボスニア・ヘルツェゴビナとの真剣勝負を生んだと言えるだろう。この支出は「違法」ではないことはもちろん、「不適切」でも決してない。

【日本蹴球合同会社/森雅史】