百聞は一見に如かずという諺(ことわざ)の真実さを、誰しも自らの経験に基づいて証明することができるが、中国メディアの武漢晩報電子版はこのほど、心理学の観点からこの諺について説明、パリ症候群を1つの事例として取り上げている。(イメージ写真提供:123RF)

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 百聞は一見に如かずという諺(ことわざ)の真実さを、誰しも自らの経験に基づいて証明することができるが、中国メディアの武漢晩報電子版はこのほど、心理学の観点からこの諺について説明、パリ症候群を1つの事例として取り上げている。

 パリ症候群とは日本人に見られるものとされ、憧れの気持ちからパリでの生活を始めた人が、思い描いていたロマンあふれるパリと現実の姿との差に大きなショックを受けることによる一種のカルチャーショックを指す。記事は、不眠、けいれん、恐れ、劣等感、被害妄想などの症状があらわれると説明している。

 つまりパリ症候群にも百聞は一見に如かずという諺が当てはまるわけだが、記事は心理学の「インパクトバイアス」という概念からパリ症候群を説明している。インパクトバイアスとは将来生じる良い出来事あるいは悪い出来事が自分に与える影響を大きく見積もる傾向のことだ。

 パリ症候群の場合、インパクトバイアスによって人はパリでの生活が自分に与える良い影響を大きく見積もる。しかし街が清潔でなくパリの人びともフランス語を話さない人を差別する、店員も客に対して礼儀正しいサービスを提供しないといった現実に直面するとき、大きく見積もった理想とのギャップにより相当のダメージを受けることになる。

 メディアからパリの良い面だけを見聞きすることも関係しているのだろうが、記事は人が持つインパクトバイアスという傾向もパリ症候群の原因になるという見方を示した。しかし、もしインパクトバイアスという傾向が自分にあることをあらかじめ知っているなら、「現実は自分が思い描くほどの喜びを与えないかもしれない」と心の準備をすることができるため、理想と現実とのギャップが自分に与えるダメージを減少させることができるだろう。

 日本国内では、大気汚染や食の安全問題など、中国の悪いところが大きくクローズアップされる傾向にあり、中国に対して悪いイメージを抱いている日本人も少なくないだろう。そのため、日本人が旅行で中国を訪れた場合、「中国は空気が汚い」、「中国の食事はおいしくない」という先入観を持っていた場合、先入観とのギャップによって、もしかしたら中国は意外に楽しいところだと感じることになるかも知れない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)