中国メディアの中国青年網はこのほど、英国メディアが報じた内容として、中国国内における人件費の高騰を理由に、多くの日本企業がベトナムに工場を移転させていると伝えた。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディアの中国青年網はこのほど、英国メディアが報じた内容として、中国国内における人件費の高騰を理由に、多くの日本企業がベトナムに工場を移転させていると伝えた。

 記事は英フィナンシャル・タイムズの報道を引用し、日本企業が12億ドルを投資してベトナムのハイフォンにコンテナ埠頭を建設中であると紹介。コンテナ埠頭は2018年からの運営を予定しており、その際にはハノイ付近の電子製品を処理する港湾能力は現在の2倍になると説明。記事は日本企業の決定には多くの日本企業が中国南部の工場を閉鎖してコストの安いベトナムに移転していることにも関係していると説明した。

 続けて、日本企業の関係者が「100%の確率でベトナムは発展する」と述べたことを紹介し、日本による東南アジアへの直接投資は2015年に200億ドルを超えたことを紹介、3年連続で中国と香港への直接投資を上回ったことを紹介した。

 さらに記事は日本貿易振興機構(JETRO)の調査を紹介、中国で業務拡大意向のある日系企業の比率は1998年からの調査開始以来初めて40%以下にまで下落したと説明。またIHSグローバルインサイトのあるアナリストは「中国の人件費上昇は、世界のサプライチェーンにおける東南アジアの役割を変えた」と指摘、さらに「とりわけベトナムは電子製造業の中枢となり、ベトナムのマクロ経済の未来図を徹底的に変化させている」と説明した。

 2015年10月から11月にかけて行われたJETROの調査によれば、在中国日系企業の今後1年から2年の事業展開の方向性において「拡大」と回答したのは38.1%にとどまり、現状維持は51.3%、縮小は8.8%となった。さらに第三国等への移転あるいは撤退は1.7%だった。経営上の問題点(複数回答可)のトップは従業員の賃金上昇であり、なんと84.3%に達した。確かに在中国日系企業にとって中国の賃金上昇は活動拠点をベトナムへ移す大きな要因となっているようだ。

 また、みずほ総合研究所の最近の調査でも、ベトナムは中国からの移転先としての最有力候補に挙げられている。同調査は資本金1000万円以上の製造業企業を対象に1100社から回答を得たものであり、中国がいよいよ「世界の工場」としての地位を手放す時が近づいていることが分かる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)