涙の浅野にチームメイトたちがかけた言葉とは…

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[6.7 キリン杯決勝 日本1-2ボスニア・ヘルツェゴビナ 吹田S]

 1点を追う後半アディショナルタイム、シュートも狙えた絶好機にパスを選択してチャンスをふいにし、敗戦に涙したFW浅野拓磨(広島)。試合後は多くのチームメイトが、若きストライカーの情熱について言及した。

「ミランでも負けて泣く選手はいる」。そう語ったのはFW本田圭佑だ。「僕は泣かないので、泣く選手の気持ちは分からないとだけ言っておきます」と言いつつ、「“泣くなよ”と言いたいのと、“泣くほど悔しいんだな”という両面がある」と若き感性に反応を見せた。

 A代表初先発ということで、右サイドでの連係はそれほど見られなかったが、浅野の動き自体は効いていた。

 GK西川周作は「監督は後半、『浅野が良い動きをしているから裏を狙え』と指示を出していたくらいで、浅野は良いアピールができていたと思う」と指摘。そして、「最後のワンプレーで打たなかったことを悔やんで、みんなに『すみません』と言っていたけど、気にすることはない。きっとこのあとの試合でこれを生かしてくるはず」と気遣った。。

 リオデジャネイロ五輪に出場するU-23日本代表でもチームメイトのMF遠藤航は浅野に直接言葉をかけた。

「(浅野)拓磨は悔しくて下を向いていたので、『次、頑張ろう』と(声をかけた)。僕から裏へのボールも何回かあったので、もう少し精度を高くやっていこうという話もした」

 厳しい言葉で奮起を促したのはバヒド・ハリルホジッチ監督だ。「あそこは簡単に決められたと思うが、パスを選択した。まだ21歳。ただ、21歳といっても、たくさんの決定機があった。経験が足りなかったのかなと思う」。

 3日の準決勝・ブルガリア戦では自ら獲得したPKを蹴って代表初ゴール。「本当に勇気のある人間だと思う」「21歳でボスになれるなんて信じられない」と、その度胸に感心していた指揮官はこの日、「浅野の決定機は絶対に決めないといけなかった」と、あえて厳しい口調で強調した。

(取材・文 矢内由美子)