後半アディショナルタイムの絶好のチャンスを逃した浅野。試合後は悔し涙を流すシーンも見られた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 [キリンカップ]日本代表1-2ボスニア・ヘルツェゴビナ代表
6月7日/市立吹田サッカースタジアム
 
 市立吹田サッカースタジアムでの初の日本代表戦となったボスニア・ヘルツェゴビナ戦は1-2の逆転負けに終わった。小林祐希を入れた74分以降は気迫のある攻撃でボスニアのゴールに迫った日本だが、残念ながら同点に追いつけなかった。
 
 悔やまれるのは、ロスタイムの猛攻で1点も取れなかったことだ。90+3分の小林悠以上に印象深いのがその前のシーン。エリア内に抜け出した浅野がフリーでボールを受けたのだが、おそらく誰もが「シュート」と思った瞬間、浅野はなぜかパスに切り替えた。
そのパスがゴールに結び付かず、決定機を逸すると、会場からは大きなため息が漏れた。
 
 試合後、優勝セレモニーが行なわれるなか、浅野は号泣。後悔を胸にピッチから去った。
 
「あの決定機でパスを選択して後悔している。パスが通って入っていたとしても、やはり自分のシュートで終わりたかった。自分の消極的な部分が出てしまいました。あそこは自信を持って打つべきでした」
 
 あの決定機の場面、浅野は決める自信がなかったのか、それとも自分よりゴールに近い味方にパスをすることで確実性を求めたのか。浅野の頭をかすめたのは、自身が絡んだひとつ前のシーンだった。
 
「ひとつ前のプレーでトラップからシュートしたら防がれて。(金崎)夢生くんがゴール前で待っていたのにチャンスを潰したというのが、頭に残っていた。だから、より確実なほうを選んだ。(リオ五輪の最終)予選の時にもGKと1対1で横パスを選択して、ゴールに結び付かなかった。同じミスをしてるな。経験が活かされてないなと思った。悔しいのひと言です」
 
 ただ、浅野が消極的なスタンスでプレーしていたかといえば、そうではない。
 
「ゲームの中ではチャンスが来いと思っていた。チャンスが来たらシュートで終わろうと思っていた。でも、あの決定機のシーンは一瞬の判断で、パスを選択しまった。より確実なほうをという選択だったとしても、あれが自分の実力だと思う。判断をする時に余裕があるのか、ないのか。シュートせずに後悔で終わって、チームも負けてしまって……。この悔しさは忘れずに次に活かせれば。良い準備をするだけです」
 
 そんな浅野に向けてのアドバイスだろうか、シュート0本に終わった岡崎は自らの出来を反省しながらもFWとはこうあるべきだという持論を展開した。
 
「FWなんて決められりゃ、いいんですよ。決めるかどうか、それがFWなんです」

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)