5年ぶりに開催されたキリンカップ。1978年に第1回大会が開催されて以来、日本サッカーに欠かせぬ行事として定着してきたが、このホームの親善試合に有り難みを覚える人は次第に減っていく。日本サッカーのレベルアップを示すものと言ってよかった。本物志向の強いファンにとって、それはとても緩い試合に映った。惜しまれつつ休みになったわけではない。

 今大会前、それがとても有りがたく感じられた。欧州勢との国際試合はこれが2年ぶり。ブラジルW杯本大会のギリシャ戦以来だ。親善試合となると2013年11月(ベルギー、オランダ戦)以来。

 親善試合の相手のレベルは急降下。もちろん、アウェイ戦も滅多にない。

 6月3日に行われたブルガリア戦は、そうした意味でとても新鮮だった。高いモチベーションで観戦に臨むことができた。ところが、だ。蓋を開けてみれば、試合は緩いホーム戦の典型で、しかも結果は7−2。あり得ないスコアで決着する姿を見て、5年前のイメージが再び蘇った。それを再確認する自分に、なにより腹が立ってしまった。かつての世界観に舞い戻った不幸を思わずにはいられなかった。7−2という結果を受けての報道についても、だ。進歩なし。というより退化だ。

 しかし、残念なことに、この無念さをハリルホジッチと共有することはできない。試合後、記者会見の冒頭で「こんなに得点をとっておいて批判することはできるでしょうか」と胸を張ってしまうその姿に、これまでの経緯を知らない悲しさを見た気がした。

 というわけで、久しぶりですが、ブルガリア戦の採点です。

・ハリルホジッチ監督=6.5 6人のメンバー交代を奇麗に決めた。勝ちを意識するあまり、メンバー交代に消極的だったザッケローニ、その前の岡田さんに比べると数段よいなのだけれど、そうした過去の事実を忘れかけていることも確か。当時の交代カードの切り方が、いかに時代から遅れていたか。改めて痛感することになった。

・川島6.5=PKストップで貢献。もし止めていなければスコアは7−3。快勝さは激減する。勝利の意味は薄まる。PKストップはお祭りムードを演出する好プレイと言えるが、長い目で見たときそれはどうなのか。

・酒井宏6.5=思い切ったドリブル突破を披露。安定していた。

・吉田7=2得点が光る。CBで得点を伸ばしてくると、チームの中心という印象が増す。かつての闘莉王のように。

・森重6.5=2ゴールをマークした吉田と入れ代わり、不動のCBとして実績を作りたかった。

・長友7=香川のヘディング弾に繋がった2点目のアシストが光った。しかし、来季以降もインテルでプレイするのだという。契約期間は2019年まで。長期契約を結んだわけだが、数多くあるはずの選択肢の中から、インテルを選ぶ理由はなぜなのか。少なくとも来季、インテルはチャンピオンズリーグには出場できない。だが、その一方で目標はCL出場、CL優勝だという。客観的に見て、現在のインテルにかつてほどの力はない。ミランほどではないが、欧州的には落ちぶれたクラブに属する。CL優勝など夢のまた夢であることは、長友も十二分に承知しているはずだ。例えばマンUの方が、その可能性が高いことも、だ。上昇志向が薄れているとすれば心配になる。2018年W杯まで持つのか。

・長谷部6.5=落ち着いた球捌き。34歳で迎える2018年W杯までスタメンを張れるか否か。可能性は50対50。

・柏木6.5=岡崎の先制ゴールを生んだアシスト、2点目のゴールに繋がる長友に送球したサイドチェンジなどパッサーとしての能力を発揮したが、相手ボール時の反応に問題を残した。目の前にボールがある時には食い下がろうとしたが、全体としては淡泊。