【日本代表プレビュー】飛車角抜きの戦いで力を見せられるか

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▽日本代表は7日(火)、市立吹田サッカースタジアムでキリンカップサッカー2016の決勝、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦に臨む。

▽3日に行われた準決勝のブルガリア代表戦で7-2と快勝を収めた日本代表は、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督体制下での初タイトル獲得を目指す。



◆主力は居なくとも力を見せたボスニア

▽準決勝でデンマーク代表と対戦し、PK戦を制して決勝へと駒を進めたボスニア。デンマークは、GKカスパー・シュマイケル(レスター・シティ)やMFクリスティアン・エリクセン(トッテナム)など主力を揃えた一方で、ボスニアはMFミラレム・ピャニッチ、FWエディン・ゼコ(ともにローマ)など多くの主力を欠いて来日した。

▽前半こそデンマークに押し込まれ、2点を先行されたボスニアだったが、後半にミラン・ジュリッチが2得点の活躍を見せ2-2で90分を終了。PK戦ではGKイブラヒム・シェヒッチがシュートストップを見せるなど、活躍し勝利を収めた。

◆飛車角抜きの戦い

▽ボスニアとの決勝では、左ヒザの裏側を痛めてブルガリア戦も欠場していたFW本田圭佑(ミラン)、ブルガリア戦に先発し2得点を記録するも脇腹を痛めて途中交代したMF香川真司(ドルトムント)の2選手を欠くことが濃厚となった日本。攻撃の中心選手を欠くことになるが、他の選手たちにはこのチャンスを生かす戦いを見せてもらいたい。

▽ハリルホジッチ監督も試合前の会見で「2試合に勝つために参加している」と語るなど目指すは勝利のみ。母国相手の試合に「もちろん特別な感情がある」としつつも「そのような感情はあるが、フットボールにおいては勝ちにいく」と力強く語った。

◆偶然訪れた格好のチャンス

▽本田、香川の欠場は想定外の出来事だが、大きなチャンスを得たと考えるべきだろう。ロシア・ワールドカップの出場権を懸けるアジア最終予選では、多くのテストを行うことができない。その事を考慮すれば、2人の不在は新たな可能性を見出すチャンスとなるはずだ。

▽ハリルホジッチ監督は「システムに関しては大きな変更はない」と語ったように、メンバーの変更はあってもシステムまでは変えないことを示唆した。1トップにはFW岡崎慎司(レスター・シティ)が入り、2列目にはブルガリア戦で輝きを見せたMF清武弘嗣(ハノーファー)がトップ下に入るだろう。左は途中出場でゴールを挙げたFW宇佐美貴史(ガンバ大阪)、右には先発したFW小林悠(川崎フロンターレ)が入ると見る。

▽中盤以降では、右サイドバックがDF酒井宏樹(ハノーファー)からDF酒井高徳(ハンブルガーSV)に変更、守護神もGK川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド)からGK西川周作(浦和レッズ)に変更されると見る。

▽初招集ながら出場機会がなかったMF大島僚太(川崎フロンターレ)、MF小林祐希(ジュビロ磐田)については、「満足している」とハリルホジッチ監督が語っており、途中出場の可能性はあるだろう。また、PKで日本代表初ゴールを記録したFW浅野拓磨(サンフレッチェ広島)については「21歳でボスになった」と冗談を交えながらも称賛。ブルガリア戦同様に後半途中から起用される可能性が高い。

◆力を出し切りタイトルを

▽親善試合とはいえ、タイトルを獲るということはチーム作りにおいて重要なことだ。ハリルホジッチ監督の「負けた時は練習でもがっかりしてくれ」という言葉にも表れているように、「勝つ」ことへの欲を常に求めることが必要だ。

▽ブルガリア戦の収穫として、7得点のうち前半に4得点、後半に3得点を奪っている。リードして迎えた後半にパフォーマンスが落ちる傾向がある日本だが、最後まで攻め続けて後半も高いパフォーマンスを見せた。ゴールへの欲求を多くの選手が見せたことも大きかったように感じる。ボスニアとの決勝ではどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。試合は19時30分にキックオフを迎える。