「田児式スーパーバドミントン」より

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 リオ五輪出場目前で違法カジノ店での賭博行為が発覚し、日本バドミントン協会から事実上「追放」された田児賢一(26)の告白記事で波紋が広がっている。協会から無期限の登録抹消処分を受けた後、所属していたNTT東日本からも解雇処分を受けた田児だが、『週刊現代』の6月4日号に独占告白記事が掲載され、猛批判を浴びているのだ。

 記事では田児が本件に関する経緯や自身の心境について語っている。その中で田児は、ギャンブルをしていたことに関して、「後悔していない」と開き直り発言。さらに、「僕はあの勝負事は、スポーツ選手として自分を成長させてくれたと今でも思っているのです」と、極限状態で勝負するスポーツの世界とギャンブルの世界では共通するものがあり、両者を重ね合わせることでプラスにつなげていたと自論を展開している。

 またその上で、ともに賭博行為が発覚した桃田賢斗(21)が記者会見上で、「勝負の世界で生きている以上、ギャンブルに興味があった」と発言したことに関しても理解できるとコメント。さらに、田児がやっていたギャンブルは、周囲が考えているギャンブルとは「桁が一つ違う」と言い切っている。一部では「多少やり過ぎた」という言葉を添えているものの、さも自分がギャンブルをしていたことに関して、問題だったと感じていない発言が相次いでいるのだ。

「驚くべきことはギャンブルで発生した借金に関しては、親族が肩代わりしたということも自身で喋っていることです。よくそんなことが平気で言えるなと、開いた口がふさがりません。全く懲りていないようですね」(スポーツライター)

■低レベルな言い訳の数々

 この田児の無責任ともとれる発言の数々には、「まったく反省していない」「小学生かよ」「今後もやる気満々だ! としか感じられなくてむしろすごい」と呆れた声が続出した。中には賭博行為そのものに対しても、「一流アスリートでなかったら逮捕されたぞ」と、田児自身が守られていた立場であることを本人が理解していないのではと疑問を呈する声もある。

「おそらく本人はまだ事の重大さを理解していないのではないでしょうか。少なくとも『まだ周りがなんとかしてくれるだろう』という考えの甘さが伝わってくる。言い訳にもなっていないレベルです」(前出・ライター)

 田児は今後、マレーシアでの現役続行を希望している。しかし、田児はマレーシアリーグから断られてもいる。田児はその件にも触れており、「それはデマだ」として「そこ(マレーシア)でチャンスを探してみようと思う」とも話しており、マレーシアでバドミントンに関わることを諦めてはいないようだ。

 記事の最後にも、バカラとはイタリア語で「破産=ゼロ」という意味であると語った上で、今は0を1にして頑張りたいとギャンブルになぞらえてオチをつけた田児。その姿はもはや国を代表していたアスリートとはほど遠い、ギャンブル依存者の雰囲気すら感じるという声も聞こえてくる。本人が希望する通り、現役を続行することは可能なのだろうか。

文・佐々木浩司(ささき・こうじ)※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。