レッドブル・エアレース2016 第3戦千葉大会。ラウンド・オブ・14全てのヒート(対戦)が終了し、タイム順にラウンド・オブ・8のヒートが決定しました。

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Heat8  ナイジェル・ラム vs ハンネス・アルヒ

元チャンピオン同士、前戦シュピールベルグ戦2位と3位の好カードです。

Heat9  室屋義秀 vs マティアス・ドルダラー

非常によく対戦する同期のライバル同士。練習からここまで共に好調な2人。ポイントリーダーのドルダラー選手の方が若干勝ち星が優勢なのが不安材料です。

Heat10  カービー・チャンブリス vs マット・ホール

今シーズンは好調な元チャンピオン・チャンブリス選手と今年のチャンピオン大本命とみられていたホール選手。ポイントが伸び悩んでいますが、千葉ではここまで順調です。

Heat11  ファン・ベラルデ vs マルティン・ソンカ

昨年千葉戦で優勝した機体を持つベラルデ選手と今回絶好調のソンカ選手。注目度合いではHeat9に譲るものの影の大本命の対決です。

ラウンド・オブ・8はラウンド・オブ・14の1時間後に開始されます。

ラウンド・オブ・8開始の時刻に雲は切れ、日が差し始めました。風は若干ですが弱まったようですが、相変わらず吹いています。

【Heat8】

ナイジェル・ラム

タイムを0.4秒短縮し1:05.128を記録します。やはりラウンド・オブ・14ではマージンを持っていたようです。

ハンネス・アルヒ

1分4秒台でないと勝てないタイムに気負ったのか、スタート速度が201ノット!ペナルティ1秒が加算。1:06.144で敗退です。

【Heat9】

室屋義秀

今回は無事にスモークを引きながら200.3マイルで抜群のスタートを決めると、1:04.610という本日全体で2番目のタイムを叩き出し、ドルダラー選手にプレッシャーを掛けます。

【マティアス・ドルダラー】


199.7マイルとこちらも悪くないスタートを決めると、最初の計測ポイントで0.2秒リード。ゲート8を越えターンを終えたポイントで0.75秒と一気にタイム差を広げた…に見えたが、ドルダラー選手の速過ぎるターンがオーバーGを招いており、DNFで失格となりました。

今大会最大のライバルに焦りを誘った室屋選手が今年初の決勝:ファイナル4に進出です。

【Heat10】

カービー・チャンブリス

200ノットぎりぎりのスタートを決め、1:05.352と悪くないタイムを記録しますが、ホール選手を圧倒する程のタイムではなく、ホール選手の結果を待ちます。

【マット・ホール】

スタートにチャンブリス選手に若干リードを許し進入したゲート4、バーティカルターン開始時にまさかのオーバーG:DNFで失格です。優勝候補と目されていた本命がまた一人、ここで消えました。

【Heat11】

ファン・ベラルデ

1:06.143を記録。直前の飛行をしたホール選手のオーバーGを意識したのか、コース両端のターンを大回り・慎重に行き過ぎた印象です。

【マルティン・ソンカ】

本日最速のソンカ選手、1:05.128を危なげなく記録し、ファイナル4に進出しました。

この結果、ラム、室屋、チャンブリス、ソンカとファイナル4が出揃いました。

室屋選手に立ちはだかるライバルは、チャンピオン経験者が2人、最速タイム記録者と楽に勝てそうな相手は居ません。決勝:ファイナル4は僅か5分後に開始されます。

ファイナル4の飛行順はラウンド・オブ・8の対戦順で、最終順位はタイムだけで決定されます。飛行場では着陸から次の離陸まで3分程しかなく、整備・エンジン冷却等の時間はほとんど取れません。

最初の飛行はナイジェル・ラム選手。今シーズンでの引退を表明しており、千葉では現役最後のフライトとなります。200.3ノットで快心のスタートを決めたラム選手はノーペナルティの飛行で、1:05.734を記録します。

2番目は我らが室屋選手。昨年のファイナル4進出時はペナルティを受け、順位を下げる事もあったので、ノーペナルティでの飛行を会場全体が祈っています。

無事スモークオン。200.1ノットとこちらも快心のスタートを決め、1:04.992を叩き出します。ラム選手を上回り、これで表彰台確定!です。残るチャンブリス選手とソンカ選手の飛行を待ちます。

3番目はチャンブリス選手。今回、1分4秒台を記録していないチャンブリス選手ですが、序盤室屋選手のタイムをリードします。後半もノーペナルティでしたが、1:05.618と2番手タイムを記録。室屋選手の2位以上、自身の最高順位更新(過去は3位3回)が確定しました。

最後のソンカ選手は室屋選手以外で唯一1分4秒台を記録しています。まさに最後に「最強の刺客」が登場となり、沸いていた会場も少し冷静さを取り戻します。

ともに初優勝をかけた対決。198.2ノットでスタートしたソンカ選手、序盤リードを奪うも、最後のバーティカルターンを前に室屋選手に0.1秒逆転され、再び詰めるも1:05.097。

わずか0.105秒差で室屋選手の初優勝が決まりました!

ファイナル4は誰もペナルティを犯さず、優勝と4位の間が0.8秒しかない好勝負でした。

前戦でドルダラー選手が優勝し、2009年組でただ一人未勝利だった室屋選手。記者会見でソンカ選手との0.105秒差を「ファンブースト」と評しました。

「決勝に残る」のではなく「頂点を掴む」ため、チーム一丸となった機体の改修も実を結びました。

チャンピオンシップランキングも11位から4位に躍進、前戦終了時までは霧散しそうだった今年の目標「総合順位3位以上」も改めて現実味が帯びてきました。

次戦は7月16,17日にハンガリー、ブダペストのドナウ川河畔で開催されます。

(川崎BASE・Photo:Y.Kanoh/Jorg Mitter/Red Bull Content Pool)

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