世界遺産に代表される著名な景観地区を観光地化するには、メンテナンスや従事者の収入確保という点である程度のビジネス化は必要だ。しかし、過度に商業化へと走れば、世界遺産に認定せしめた原形じたを損なうことになりかねない。今の中国では、後者に対する懸念の声がしばしば取りざたされており、日本の観光地の姿勢を見習うべきだとの声も見られる。(イメージ写真提供:(C)weltreisendertj/123RF)

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 世界遺産に代表される著名な景観地区を観光地化するには、メンテナンスや従事者の収入確保という点である程度のビジネス化は必要だ。しかし、過度に商業化へと走れば、世界遺産に認定せしめた原形じたいを損なうことになりかねない。今の中国では、後者に対する懸念の声がしばしば取りざたされており、日本の観光地の姿勢を見習うべきだとの声も見られる。

 中国メディア・捜狐は3日、「同じ世界文化遺産なのに 目先の利益に囚われる麗江、クローズして客を謝絶する日本」と題した記事を掲載。商業化と景観保護のバランスについて、日中両国の世界文化遺産の例を紹介した。

 まず、現在の中国において完全に近い形で残されている数少ない少数民族の古い街として文化的価値が高く、1997年に世界文化遺産に登録された雲南省の麗江古城について言及。現地で今月1日、現地の商店が大規模なストライキを実施、古城保護管理局が観光客に入場料を要求していることに対する抗議であると伝えた。

 そのうえで「地方の管理者が一番に考えるべきことは何か。目先の利益優先のやり方は果たしてどれだけ長続きするのか。過度の商業化は完全に元の生態を失わせる。一連のサービスを高めるよう努め、観光環境の健全化を進めるべきではないか」と論じ、「やはり日本の例を見てみよう」とした。

 そして、同じく世界文化遺産に登録されている岐阜県の白川郷について、国内外から多くの観光客が訪れる人気スポットながらも入場料を取っていないすると同時に、ライトアップが雪のある1月から2月の週末にあたる7回しか行われないことを紹介。その理由について、白川郷では住民が日常生活が営まれていること、現地の自治体が村民の決定を尊重して商業化や博物館化を極力抑えていることを挙げ、「ここの一切のものは、数百年たっても変わらないことが想像できる。しかし、中国の麗江はどうだろうか」と問題提起して締めくくった。

 かつて訪れてその風景の美しさ、建物や住民の素朴さに魅了され、深く印象を覚えた場所を数年後、数十年後に再訪した際、かつての面影が残らないほど商業化していたとしたら、きっと幻滅するに違いない。広大な国土ゆえ、美しき風景が数多く存在する中国。その美しさ、自然さをぜひ後代にもそのまま残してほしい。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)weltreisendertj/123RF)