最近よく耳にする「意識高い系」というワード。これは、自分を過剰に演出するが中身が伴っていない人、自分の経歴や人脈を演出し自己アピールを絶やさない人などを意味するネットスラングです。「意識が高い人」とは違い、「意識高い系」はちょっぴりマイナス要素を含む場合が多いかもしれません。社会にはどれほどの「意識高い系」がいるのでしょうか……オウチーノ総研が首都圏在住の20〜39歳を対象に実施したアンケート結果をご紹介します。

なんと2人に1人が、「意識高い系」!?

まず、「自分は『意識高い系』だと思いますか? また、人からそう言われたことはありますか?」という質問をしたところ、以下のような結果に。

1位:「意識高い系」ではない(51.2%)
2位:自他ともに認める「意識高い系」(23.7%)
3位:「意識高い系」(17.5%)
4位:隠れ「意識高い系」(7.6%)

およそ2人に1人が「意識高い系」であることが判明しました。
それぞれ理由を聞いてみたところ、「意識高い系」の人からは、身だしなみや美容、健康に気を遣っているから、こだわりが強いからという声が多く寄せられました。

「身だしなみなどは徹底的にメンテナンスしているから」(26歳/女性)
「流行をチェックしているから」(35歳/女性)
「物事に対して細かいから」(35歳/男性)
「究極の完璧主義だから」(34歳/女性)
「多分野にわたって知識を取り入れようと努め、自己改革を続けているから」(39歳/男性)
「仕事において、目標値や進行、達成率を気にしながら絶えず修正を行っているから」(25歳/女性)

その一方で「意識高い系」ではない人の最も多かった意見は、熱い性格ではないからというものでした。

「面倒なことが嫌いだから」(25歳/女性)
「無頓着だから」(38歳/女性)
「人よりも鈍感で、こだわりなどもないから」(36歳/女性)
「常々、自分のレベルを考えて行動するようにしているから」(37歳/男性)
「むしろ意識低い系だから」(29歳/女性)

「意識高い系」の特徴は「自己アピール」と「自己啓発」

続いて、「意識高い系」の人を対象に、「『意識高い系』で、良かったこと・悪かったこと」を聞いたところ、良かった点としては以下のように、仕事でうまくいったという声や、人からの見られ方が変わったという意見が。

意識高い系で良かったことは?
「昇進した」(36歳/女性)
「資格取得と仕事を両立し、双方とも目標をクリアした」(29歳/男性)
「会社の役員、先輩から適切なアドバイスを受けることができる」(33歳/女性)
「人からの見られ方が変わった」
「若く見られることが多い」(33歳/女性)
「意識が高いと思われることで、取引相手が仕事をきっちり詰めてきてくれる」(35歳/女性)
「仕事に対してポジティブな人に出会いやすく、さまざまなチャンスが生まれた」(25歳/女性)
「モテた」(30歳/男性)

反対に「悪かったこと」では、「知ったかぶりして、恥をかいた」(39歳/女性)や「自分だけが突き進み、周囲を犠牲にしてしまうことが生じる」(39歳/男性)という声も。

次に「『意識高い系』と『意識が高い人』の特徴は何だと思いますか?」について質問しました。

「意識高い系」の特徴
1位:自己アピールが強い(42.6%)
2位:自己啓発本やビジネス書を読む(32.1%)
3位:自己啓発セミナーや講演会に参加する(30.0%)
4位:自分磨きをしている(29.0%)
5位:横文字を多用する(25.3%)

「意識が高い人」の特徴
1位:知識の幅が広い(36.3%)
2位:自分磨きをしている(36.2%)
3位:夢や目標を持っている(32.4%)
4位:仕事に一生懸命(30.2%)
5位:人脈が広い・人脈を重視する(29.8%)

「自分磨きをしている」などは両者に共通しますが、「自己アピールが強い」「横文字を多用する」「上から目線」「寝ていないアピール・忙しいアピールをする」「スタバでMacBook」などは「意識高い系」ならではの特徴と言えそう。

あなたは思い当たること、ありませんか?

3人に1人が「意識高い系」にポジティブなイメージを持っている

最後に「『意識高い系』について、どう感じていますか?」と聞いたところ、3人に1人がポジティブなイメージを持っていることがわかりました。

とてもポジティブなイメージ(18.6%)、どちらかというとポジティブなイメージ(18.0%)、どちらかというとネガティブなイメージ(14.2%)、とてもネガティブなイメージ(10.5%) 特に何も感じない(38.7%)

このように、「ポジティブなイメージ」と回答した人は36.6%、「ネガティブなイメージ」は24.7%となりました。

ポジティブなイメージ
「良くも悪くも前向きそうだから」(30歳/男性)
「常に前進していそうだから」(33歳/女性)
「物事に対して一生懸命な人が多いイメージがあるから」(38歳/女性)
「自分を良くしようと努力しているから」(27歳/女性)
「何もしないよりは良いから」(25歳/女性)
「次々と色々なことに挑戦していそうだから」(35歳/女性)
「自分に自信があると感じられるから」(24歳/女性)

ネガティブなイメージ
「中身がないから」
「意識を高く持つこと自体が目的になっているイメージがあるから」(29歳/男性)
「実際の努力が伴わない人が多いから」(25歳/女性)
「揶揄して使う言葉だから」
「インターネット上でネタ扱いされるイメージだから」(38歳/女性)
「『系』がつくことでばかにしているように感じるから」(27歳/女性)
「自分の行動に酔っている感じがするから」(24歳/男性)
「自己啓発よりも周りへのアピールに力を入れているようだから」(23歳/女性)

ポジティブなイメージを持つ人からは、前向き、努力家だと思うなどの印象を受けていることがうかがえます。一方のネガティブなイメージを持つ人からは、中身がない、揶揄して使う言葉だから、などといった厳しい見方も。
ですが、数字を見る限りでは、意外にも世の中には「意識高い系」社会人が多く存在し、受け入れられていることが見えてきました。

実は自分も「意識高い系」だったかもと感じた人や、身近な人が当てはまる! と思った人もいるのではないでしょうか。意外と受け入れられているということが判明したので、意識高い系=向上心がある、ということで自信を持ってもいいのかも!?

【参考】※ 株式会社オウチーノ