連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第9週「常子、初任給をもらう」第54話 6月4日(土)放送より。 
脚本:西田征史 演出:松園武大


常子(高畑充希)がタイピストなって2年半が経った。
働き者の常子、大学で学ぶ鞠子(相楽樹)、勉強が苦手な美子(杉咲花)と小橋家三人姉妹は三者三様。
美子の場合、勉強はできないけれど、お裁縫が得意。
それなりに3人とも充実した日々を送っていたが、徐々に暗い影が近寄ってきていて・・・。
昭和14年9月、ヨーロッパで第二次世界大戦勃発、日本でも日中戦争のだかいのため国家総動員法が成立。森田屋も青柳も経営が危うくなってきていた。のちに、パーマネントや街灯や砂糖にも制限があることが描かれる。
その頃、長らくとと代わりとして頑張って来た常子の人生にも大きな転機が訪れそう。
転機をもたらすのは星野武蔵(坂口健太郎)。

2年半もただ週1で会ってお汁粉を食べながら近況報告を続けていた常子と武蔵。
「今週もあれ(お汁粉)でいいですか」(武蔵)ってもう聞くこともないと思うが、毎週、お約束みたいに聞いているのかも。
毎週、言えないのは、「今日こそ常子さんに必ず伝(旧字)える」こと。一週間の出来事と並んで毎週ノートに書いているらしき「伝えること」が何なのかは、先々週の記述のところを見るとわかる。そこには「常子さんに想いを伝える」と記してある。想いを伝えたいのに、毎週「講義中に教授の服が破れた」とか「木を天日干したが、すぐに雨が降ってきた」とかたわいない報告しかできてない武蔵。

意気地のない武蔵が挽回する機会が訪れた。
通りがかりの男から、乳繰り合うと風紀を乱すと言いがかりをつけられたが、「男女が密に会って情を交わし合う(性行為)ことを意味します」「間違った言葉遣いをすることこそ風紀の乱れにつながるのではないでしょうか」と論破。かっこいい。
その間ずっと口に手を当てておろおろしている常子。経済的には一家を養うしっかり者だが、生物的には未成熟な感じが漂う。いやな男を言葉で撃退した武蔵を見つめる顔と瞳が光り輝いていく表情もみごとな高畑充希。
こうして肉体的には未だでも、精神的なつながりはいっそう強固になった常子と武蔵。
10週は、プロポーズされるお話。とはいえ、どうやらハッピー展開とはいかないようで・・・。
これは盛り上がりそうですぞ。
(木俣冬)