大観衆を前に、消化試合などという文字はない!

熱戦つづくバレーボール世界最終予選が幕を閉じました。ご存じのとおり、全日本男子はリオ五輪出場権を逃しました。それ自体は非常に残念です。無念です。4年後の東京では出場が決まっているだけに、何としても一度五輪の舞台を踏ませておきたかった。一度目と二度目では全然違うだけに、「一度目」をリオで経験させたかった。その意味では、痛恨の最終予選でした。

しかし、落胆ばかりではなく、希望も見える最終予選でした。若い世代の台頭は明るい未来を強く予感させるもの。石川・柳田・関田・出耒田のNEW NEXT4は、必ずやこれまでの全日本男子よりも一段高いところへチームを押し上げてくれるはずだと、今大会を通じて確信させてくれました。

そして何より、あの大観衆。スポーツというのは技術・戦術だけで成り立つものではありません。どれだけ華麗であっても、河原で孤独にやっている球コロ遊びには取り立てて価値はないのです。その点で全日本男子は、ただ強くても、ただ上手くても、そう簡単には獲得できないものをすでに手にしているのです。

早朝から入場待ちの列を作り、遠方から駆けつけるファンたち。どんなキッカケであれ、それだけの熱意を持った人が東京体育館をビッシリと埋めた意味は大きい。一般的には消化試合という位置づけであろうフランス戦も、まるでこれがリオ行きの大一番であるかのような盛り上がり。この後押しは、選手を成長させる何よりのチカラです。

自分自身のためだけではなく、支えてくれる誰かのために。それこそが4年間をすべて捧げてひとつのことに打ち込むための原動力。逃げること、甘えることを許さない誓約となるもの。それに応え、しっかりと勝った全日本男子は立派だったと思います。この勝利はきっと4年後につながる。予選に負けたくらいのことで、戦うことまでも止めてしまわなかったことが、必ずつながる。大観衆のひとりとして僕が感じた「感謝」がそう告げています。ありがとう、お疲れさま、全日本男子。

ということで、今の落胆と4年後への期待を胸に刻みつけて、5日のTBS中継による「バレーボール世界最終予選 日本VSフランス戦」をチェックしていきましょう。

◆今頑張れなければ、結局ずっと頑張れない!これは消化試合などではない!

すでにリオ行きはなくなった最終日、それにも関わらず東京体育館には大観衆が訪れました。自由席スタンドは、人と人の間の1つの空席にもあとからきた人が入り込んでくるようなビッシリ具合。「リオを逃した」からといって熱気が冷めるようなことも、昼の試合でベネズエラが負けて「ビリを逃れた」からといって安堵するようなこともありません。引きつづき、全日本男子は熱い!

TBSの中継では各地のパブリックビューイングの模様も紹介され、そちらも大興奮・大熱狂。石川さんの母校では先輩の活躍を応援しようと家族から後輩から友人からが集まっての応援も。彼らからは「消化試合ならメシでも食いに行きたいのですが」「野球が見たいです」「石川さんは先輩ですが…深津さんはよくわからないですね…?」などという気配は決して漏れてくることはありません。結果は関係なく、全日本男子は熱い!

対戦相手はすでにリオ五輪出場を決めているフランス。中継で紹介されたふたりのエースことヌガペト、ルジエは出場せず。ミドルブロッカーのルルーも出場せず。出場選手はいわゆる「控え組」です。五輪出場が決まればこんなものでしょうか。整列時にはニッコニコの笑顔も見られ、いつもやってるんだかよくわかりませんがリベロがスパイク練習するなど、余裕が垣間見られます。

↓日本側では頼もしい助っ人・越川優さんが全日本の苦境を救うべく、急遽駆けつけてくれたぞ!

って、試合出場じゃなく募金活動のためだった!

頭丸めて「深津です」とかでねじ込んだらダメかのぉ!

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そして始まった試合。日本は関田をスタートから起用し、リベロの酒井、ウィングスパイカーの米山など、今大会の始まりにはスタメンにいなかった選手を並べる布陣。すると、相手が「抜いている」こともあるのでしょうが、序盤から日本はいい流れを作ります。

特に際立ったのがセンター線からの攻撃。ミドルブロッカーが速攻に入ればしっかりと速攻を使い、相手が速攻を気にする気配を見せれば、タイミングをズラした中央からのバックアタックを使う。セッター関田のリードが、相手のブロックをまさに翻弄します。

そのおかげでサイドの負担は大幅に軽減されます。とかくありがちな「ライトから清水・清水・清水」であるとか「レフトから柳田・柳田・柳田」であるとかの単調なオープン攻撃は減り、打数自体もそうですが、ここ一本の重責のようなものも軽くなります。関田采配、非常に光っています。

8点、16点のテクニカルタイムアウトを日本が取ると、16点時点ではダブルスコアの差をつける楽勝ペース。終盤には若干のフランス追い上げもありますが、25-18と余裕を持った状態で第1セットを日本が取ります。消化試合の控え相手とはいっても、コチラはビリ争い、向こうは上位争い。大いに喜びたい立ち上がりです。

第2セットに入っても日本の流れは変わらず、出耒田・富松のセンター線が要所で決めるいい流れ。8点のテクニカルタイムアウトを争う場面では、日本のアタックが完全にフランスのブロックにシャットアウトされるものの、「フランスにネットタッチ?の反則があり日本の得点という判定」⇒「フランスは、日本の選手がセンターラインを踏みこしているという難癖チャレンジ」⇒「チャレンジ失敗」という揉め事を制して日本が得点。日本が逆転でテクニカルタイムアウトを迎えます。

↓何やらよくわからないフランスのチャレンジは実らず!


現場で見ていたら、日本が失点したのにフランスがチャレンジして何故か日本に点が入る、という不思議な出来事にしか見えず!

家に帰って中継を見直してもやっぱりよくわからないという謎事件!


↓このセットも奮闘する関田は、行きがかり上で仕方なくサイドから全力のスパイクを打つ場面も!



決まったら面白かったのになwww

小さな大エース・関田www

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日本は第2セットも奪取すると、初戦以来の勝点獲得を決めます。笑い半分の控え組が相手とはいえ、ここまでの重たい戦いぶりからすれば打って変わったようないい戦い。選手の好不調の波もあるのでしょうが、そこを上手く見極めて、もっと早くこういう布陣・こういう戦いができていれば…という、ほのかな後悔もよぎります。

関田の散らすトスワーク、中央でワールドクラスの高さ・強さを見せる出耒田、ヒザをガチガチに固めながらもブレイクを生むサーブと決定率高いスパイクで貢献する柳田、そして石川、こうした若い世代が本当に中心になってきたなら、全日本男子も一段高いところで戦える…確信を持てるような戦いぶりでした。

それだけにウソでも偶然でもいいのでリオに行かせたかった。どんな名選手でも初めての五輪というのは、普段通りではいられないもの。まして母国開催ともなれば、その重圧は並大抵のものではありません。毎日毎日「五輪」と耳元で言われつづける暮らしが平常心を奪っていくはず。「一度出たことがある」という経験がその重圧を払い、「一度出たことがある」という経験が「出るだけでは意味がない」ということを本当に教えてくれる。最後の試合がいい戦いであるほどに、無念が募ります。

↓そして日本は第3セットも優位に進め、マッチポイント!


最後はキャプテン清水!中島美嘉さんの目にも涙!

中島美嘉の夫の活躍に中島美嘉の夫の妻が、芸能生活では見せない感情を露わに!

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試合終盤は、柳田は痛めているヒザの影響か、やや足を引きずるような動き。スパイクのたびにバランスを崩して倒れ込みながら着地するようなところも見られました。それでも最後まで弾丸サーブを打ち、跳ねたボールに飛び込んでいった。彼らにとってはコレが五輪、ココが五輪。ここで戦えなければ、きっと五輪でも戦えない。そういう想いで、消化試合となったこの試合にも臨んでくれることが本当にありがたい。

この7戦の結果は、決して芳しいものではありませんでした。しかし、会場の大観衆は物語っています。「そういうことじゃないんだよ」と。アイドルのコンサートなどと揶揄されることもある今の熱気ですが、それの何が悪い。むしろ、強い者・勝った者だけを見ようとする姿勢のほうがよほど下衆というもの。「勝ち負けじゃなく応援する」、アイドルのコンサートは素晴らしい。変わらない熱気と変わらない応援を、リオを飛び越して東京につなげていきたい。ここ数年の停滞に比すれば、大いに希望が見える最終予選でした。この先の4年、大いに楽しめそうです!

悔しさに耐えた大観衆に、4年後は会心の勝利を届けてもらえるよう期待!