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●マーケティングサイエンスとは
Facebookは6月3日、米国本社からマーケティングサイエンス 研究開発部門責任者 フレッド・リーチ氏が来日し、Facebookにおけるメジャーメント(効果測定)についてプレス向けラウンドテーブルを開催した。

マーケティングサイエンスはFacebookのグローバルな組織で、どのような形でコンシューマの行動が変わるのか、どのようなキャンペーンが効率的なのか、また、マーケティングの将来の姿など、マーケティングに関する課題解決の研究をしている組織だという。そして同組織は、広告主がビジネス価値を追求ていくことで、ビジネスの拡大につながっていくことを目的にしているという。

米Facebook マーケティングサイエンス 研究開発部門責任者 フレッド・リーチ (Fred Leach)氏によれば、マーケティングサイエンス部門では具体的に3つの事を行っているという。

1つ目は「Insght」で、消費者の行動や振る舞いがどう変化しているかを捉えていくこと、2つ目は事業のコアとなる「Measure the impact」で、広告やキャンペーンの広告効果測定を行うこと。これについては、Facebookだけでなく、テレビ、ラジオ、雑誌などのアナログメディアも含まれるという。そして3つ目は、新しい方法を開発する「Develop new methods」で、これによって広告の価値を測定し、数値化していくという。

広告の測定に関しては3つのR(Reach、Resonance、Reaction)を計測しており、「Reach」は、どれくらいの人にリーチすることができたのか、リーチした人は想定したターゲットだったのか、そしてどれくらいの頻度でリーチできたのかを調査。

「Resonance」は、どのような形で広告が見られ、広告を見たことによって商品やサービスへの考えや意識が変わったどうかを見ていくものだという。

そして「Reaction」は、広告を見ることによって、実際に購買行動が行われたのかや、自分のE-Mailアドレスの登録(ユーザー登録)を行ったのかなどを見ていくという。

○デバイス単位のトラッキングではなく、人ベースの測定が必要

また、世界はますますモバイル化しており、同社ではモバイルでの測定に関しても注力しているという。

ある調査データによると、米国では買い物中にモバイルを利用している人の割合は65%で、アジア地域ではテレビを見ている間にモバイルを利用する割合が50%あるという。さらに、20代の女性の78%はモバイルを利用して買い物をした経験を持つという。

フレッド氏は、こうしたモバイルの普及によって購買活動に変革が起きていると指摘する。

そして、「測定における視点を変え、人を中心とした測定にしなければならない。最近はコンシューマの行動がリニアでなくなっており、キャンペーン広告の見た人の94%はモバイル端末によるものだったにもかかわらず、実際に購買を行った69%はデスクトップPCによるものであったという調査データもある。以前であればCookieを使ってキャンペーンを行っていたが、購買行動がこのようにクロスしている状況においては、Cookieだけでは不十分だ。また、キャンペーン広告をWebでに見たとしても、購買は実店舗で行うこともあり、Cookieだけにすべての行動を紐づけることはできない。これまでは、ラストクリック法で測定で行われてきたが、ラストクリック法だけではモバイル対応が不十分で、われわれはこれを是正するためにリフトモデルを使っている。これは広告によって、どれだけリフト効果があったかを測定していくものだ」と語った。

また同氏は、購入意図とCTRの関係では、我々の調査では相関係数が0.04となり、相関があるといはいえないとも指摘。

「今後は、一人が3台、4台のデバイスを所有することが広がっていくと予想され、デバイス単位のトラッキングではなく、人ベースの測定が重要だ。人単位で広告の効率性を図ることは可能で、必要不可欠だ。今後は、Cookieから人単位へ、クリックからブランド認知へ、CTRやCPMからROIによる測定にしていきたい」と述べた。

●認知にはテレビが有効だが、態度変容はデジタル広告がより効果的
また、同日には、カンタージャパンがFacebookと共同で調査を実施した日本の大型ブランドキャンペーンについての態度変容効果(広告によって、人々の意識や行動を変えることができたのか)の測定結果も発表した。

調査手法には、カンターグループのMillwardBrown社のCrossMedia Research(クロスメディア・リサーチ)を用いて行い、結果は測定された複数の効果データを統合する形で行った。

対象となったキャンペーンは、成熟ブランドから新製品ブランド、消費財から耐久財、全性年齢をターゲットにするものから特定の性年齢をターゲットにするものなど、異なる条件・状況下で実施され、いずれも数億円のメディア予算で実施された大規模なブランドキャンペーンだという。

下のチャートは、分析対象となったキャンペーンのブランド指標を、認知、意向、行動、イメージという4つのグループに分類して、平均的なキャンペーン効果を分析した結果。

これによると、認知関連の指標は広告効果によって上昇しやすいものの、意向、行動とファネルを深く進むにしたがって、広告効果で上昇させられる値は小さくなっていく傾向が見られるという。

この結果は各キャンペーンごとに異なり、新規ブランドの場合、過去の蓄積がないため1度のキャンペーンで得られる広告効果は大きいが、成熟したブランドであれば、過去の活動の蓄積でブランド態度が築かれているので、1度のキャンペーンによって意向や行動といった深い態度変容を新たに作り出せるのはターゲット人口の数%しかいないということが多いという。

また下の図は、各指標での広告効果のうち、テレビ、テレビ以外のオフラインメディア、Facebook、Facebook以外のデジタルメディアに効果を分類したもので、認知での広告効果7.3%のうち、72%はテレビによる効果と解釈する。

これによると、認知ではテレビが強いものの、意向、行動とより深い態度変容を見ていくと、デジタルメディアの貢献が増していくという。

(丸山篤)