最近はボランチやトップ下など便利屋のような起用法が続くが、そのなかで持ち味を発揮して、日本代表での立ち位置を確立したい。原口にとってボスニア・ヘルツェゴビナ戦は、結果が求められる一戦になる。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 [キリンカップ]日本代表7-2ブルガリア代表
6月3日/豊田スタジアム

 6月3日の日本―ブルガリア戦で、70分から途中出場した原口元気は、中盤の中央に入ってプレーし、バランスを取りながら攻撃に繰り出そうとした。ただ、その後も遠藤航、昌子源が投入されるなか、微妙なポジション修正に追われ、前線に繰り出す機会は限られた。
 
 逆に試合終了間際、自陣のペナルティエリア内で相手を倒したとしたPKを献上。結果的には、その後のGK川島英嗣の痺れるスーパーセーブの引き立て役になる形となってしまった。
 
 日本が2011年のタジキスタン戦(8-0で勝利)以来、5年ぶりの7ゴールを挙げて大勝を飾り、多くの選手がなにかしらの手応えを掴んでいた。そのなかで、原口だけが悔しさだけを募らせていた。
 
 試合後、原口は「PKではない。僕が先に(ボールに)触っているので、違うと思う」と、ファウルを与えたシーンを振り返った。
 
 原口が先にボールを蹴ったあと、その残った足に相手が飛び込んできたと言う。
 
「もっとセーフティに行っても良かったかもしれない。もちろん、先に(ボールに)触れられると思ったから、行ったんですけれどね」
 
 原口は納得のいかない様子だった。
 
 とはいえ、一番悔しいのはPKを与えたことではなく、ゴールに絡めなかったことだろう。
 
 浦和レッズからヘルタ・ベルリンに移籍して2シーズンかけて磨いてきた、屈強な相手をも苦にしないドリブル突破やゴール前に飛び出すアタックを見せられなかった。そして決定的なシーンにもかかわれなかった。
 
 日本代表は6月7日、吹田スタジアムでキリンカップ決勝、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦を迎える。FWジェゴら主力が外れたものの、内田篤人の同僚であるシャルケのDFセアド・コラシナツら、ブンデスリーガ勢が数多く来日している。
 
 14年まで在籍した浦和時代は、なにかしらの困難に直面した時、悔しさをむしろ糧として、その壁を乗り越えてきた。時には、壁をぶち壊してでも前進してきた。繊細かつ豪胆。そこに魅力があった。
 
 ボスニア・ヘルツェゴビナ戦は、チャンスが訪れれば原口にとって重要な一戦になる。日本代表での居場所を見出すためにも、壁をどのように突破するのか注目したい。
 
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)