ずいぶんと大味なゲームになった。6月3日に行われた日本対ブルガリアである。

 ブルガリアは5月31日に来日した。当然のことながら、コンディションはベストではない。ユーロの出場権を逃した彼らにとって、シーズン終了後の国際試合は、それも極東での親善試合は、モチベーションを高めるのも難しいだろう。

 それはともかく、7ゴールは圧巻だった。

相手の守備がルーズだったとしても、決定機をしっかりと得点へ結びつけたのは評価できる。U−23日本代表の拙攻を見せられてきただけに、24歳以上の選手たちの実力を改めて感じた。

 そうはいっても、すべてにおいてブルガリアを上回っていたわけではない。

 相手のボールに対するディフェンスは、前線からパスコースを限定して追い詰める→タテではなくヨコ、ヨコではなく後ろへパスをさせる。最終的には蹴らせる→タテに出てきたボールに対して競り勝つ→攻撃へ切り替える、といった流れになる。

ボールを奪うこのプロセスにおいて、とくに前半の日本は高い連動性を見せた。それでも、複数の選手で追いこんでも取りきれなかったり、剥がされたりする場面もあった。ひとつ目のプロセスで守備から攻撃へ切り替えるのは、ブルガリア相手でもままならなかった。

 21分に与えた決定機も、自陣の右サイドで小林悠がボールを収められず、その後も1対1の攻防で後手に立たされたことに理由がある。相手より明らかに人数は揃っていたのに、ボールを奪い切れなかったのだ。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の就任によって「ドゥエル」という言葉が持ち込まれ、チーム全体の守備意識は高まった。とりわけ失ったボールへの責任感は、素早いプレスバックとして表れている。

 1対1の強さがいきなり上がるわけはないから、チームとしての連動性と個の力強さを並行して高めていくべきである。指揮官が示す方向性は間違っていない。

 ただ、一度でもプレスを剥がされたら失点につながりかねないのが、世界のトップ・オブ・トップの攻防である。選手が入れ替わったとはいえ、後半は連動性が薄れ、プレスをかいくぐられる回数が増えた。そこに、小さくない不安を感じる。

 爆勝と言ってもいいゲームをくさすつもりはないが、ブラジルW杯のような思いはしたくない。「W杯で勝つためにどうすればいいのか」という視点から、一つひとつの試合を見つめていきたいのである。