インテルの身売り成立が間近、との報道が。中国資本が入ってくれば、チームでの長友の立ち位置も変わってくるか。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本代表が7-2で大勝したキリンカップの初戦ブルガリア戦は、イタリア有力紙『レプブリカ』や『YAHOOイタリア』など大手メディアがHP速報で結果を報じ、他のネットメディアも追従した。
 
 ブルガリア戦を最も大きく報じたニュースサイト『Spazionews.it』は、「豊田スタジアムでの日本戦は、ブルガリアにとって手痛いKOとなった。MF香川とDF吉田のドッピエッタ(2得点)等で日本が6-0とリードした後、パレルモ所属のMFチェチェフらのゴールで2点を返したが、FW浅野の7点目でとどめを刺された」と伝えている。
 
 ただし、試合翌日4日の紙面でブルガリア戦の結果と内容を伝えた新聞媒体は見受けられなかった。MF本田圭佑(ミラン)の故障欠場の影響が、メディアの低関心度となって現れた格好だ。
 
 アシストを決めたDF長友佑都(インテル)は、女優との交際発覚で日本中を沸かせているが、そのゴシップ熱はイタリアにまでは届いていない。
 
 本田と長友が所属するミラノの2大名門クラブは、中国資本へのクラブ身売り交渉の真っ最中で、特にインテルは売却成立が秒読み段階とされている。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』等のスポーツ紙報道は、極東での親善試合の結果より交渉過程を追うことを最優先せざるを得ない状況だ。
 
 現在、欧州サッカーメディアの関心は、開幕が間近に迫ったEUROに対するものが最も高い。米国で始まったコパ・アメリカがそれに続き、さらにはリオ五輪が控えている。
 
 3日の対戦相手だったブルガリアは、EURO大会予選でイタリアと同組だったが(結果はイタリアの1勝1分)、本大会直前の欧州各国のテストマッチが佳境を迎えるなか、日本代表のニュースバリューは決して高いとはいえない。
 
 日本代表は、3年前の5月末にも来日したブルガリアと対戦し、0-2で敗れている。当時の代表監督はアルベルト・ザッケローニで、その頃はイタリア国営放送RAIや国際衛星放送『EUROSPORT』がこぞって日本代表の動向を報じていたものだ。
 
 翻って、ハリルジャパンの欧州での訴求力はザック時代と比べて明らかに下落している。日本代表のFIFAランキングは53位で、欧州メディアの扱いとしては強豪クラブの所属選手個人のネームバリューのほうが、日本代表チームの成績より上回っている印象が強い。欧州メディアをあっと言わせるような、ハリルジャパンの奮起を今後に期待したい。
 
文:弓削高志(スポーツライター)