1クールのみの放送ということで、ラストスパート体勢に入った日5枠アニメ『僕のヒーローアカデミア』。先週放送の第9話「いいぞガンバレ飯田くん!」は、ラストに向けてグッと溜めが効いたひと休みのようなエピソード。前回のダイジェストを流すアヴァンがなかったのも、なんだかひと休み感ある。


Aパートは、「学校っぽいの来たーー!」とクラス中が声を上げた学級委員選挙についてのお話。バトルが多いから忘れそうになるけど、そういえばコレ、学園ものアニメだったんだよね。

主人公の緑谷出久(通称デク)といえば、先週までの模擬戦闘訓練のエピソードで爆豪勝己との因縁にひとまず(?)決着をつけて、クラスにもすっかり馴染んでいる様子。中学生の頃のいじめられっぷりを知っている分だけ、なんだか感慨深い。いじめから脱するのって、本人の実力も大事だけど、環境も大事なんだよね。

さて、学級委員長選挙で活躍するのはマジメ一徹のメガネ男・飯田天哉くん。自分も学級委員長をやりたくて仕方ないのに、投票ではデクに1票投じてしまうという生マジメさで視聴者の好感度も急上昇。

育ちの良さが透けて見える飯田くんは、名門プロヒーロー一家の出身。特に兄のターボヒーロー・インゲニウムにはとても強い憧れを抱いている。だから、マジメにプロヒーローを目指しているのだ。このエピソードは「ステイン」編への重要な伏線になっているのだが……。ああ、2クール見たい!

クソを下水で煮込んだような性格ってどんなの?


Bパートは、1-Aクラス全員で行う「人命救助訓練」の授業だ。訓練場所になるUSJ(ウソの・災害や・事故ルーム)へと向かうバスでも1-Aは和気あいあい。

梅雨「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそう」
爆豪「んだとコラ! 出すわ!」
梅雨「ほら」

今まで一言二言発するたびにネットがザワッとしていた人気キャラの蛙吹梅雨(あすい・つゆ)ちゃんが出久や爆豪らと初コミュニケート。梅雨ちゃんは蛙の個性を持った女の子で、跳躍力が半端なかったり、舌がびよーんと伸びたり、水中戦が得意だったりする。小柄のわりには胸がちゃんとあるらしい。悠木碧の声もちゃんとカエルっぽくて良かったよ。

上鳴「この付き合いの浅さで、すでにクソを下水で煮込んだような性格と認識されてるってすげぇよ」
爆豪「てめぇのボキャブラリーは何だコラ! 殺すぞ!」
出久「かっちゃんがイジられてる……。信じられない光景だ。さすが雄英!」

アニメ『ヒロアカ』は、本当に丁寧に原作通りに作られていて、セリフがそのままなのはもちろん、モブのデザインや出久たちが学食で食べている食事のメニューまで原作通りなのだが、このくだりは原作では1コマに収められているところをアニメではわざわざ3つのカットに割られている。なんというか、本当に原作を大事にして作られているアニメだなぁ、と思う。

人命救助訓練で登場するのが災害救助を専門とするプロヒーロー・13号。生徒たちに向かって13号が行った授業前の演説は、『ヒロアカ』原作者・堀越耕平のヒーロー観に近い。

「君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない。助けるためにあるのだと心得て帰ってくださいな」

13号の言葉は、それだけ超人社会で個性を使った犯罪が横行しているということを示している。このあたりは直後の展開への伏線だろう。

驚いたのは13号を演じているのが犬山イヌコだったということ。ニャース! 大柄で宇宙服を着たようなデザインから、原作を読んだ9割以上の読者が男性をイメージしたと思うが、まさか独特の声色を持つマキバオーの犬山さんとは……。

ちなみに犬山イヌコはアニメへの出演は『ポケットモンスター』シリーズ以外は極端に少なく、今回の出演は『ポケモン』以外では『シャーマンキング』(01年)以来なのでは? という声もネットで見かけたが、実は昨年FROGMANによるアニメ『天才バカヴォン〜蘇るフランダースの犬〜』でヴァカボンを演じている。とはいえ、テレビアニメで声を聞くのは本当に久々。

さて、人命救助訓練を始めようとしたところで……敵(ヴィラン)襲来! 顔をはじめ、全身に手をまとった死柄木弔(しがらき・とむら)率いる敵連合がUSJを襲撃する。目的は“平和の象徴”オールマイトの抹殺!

原作では異様に凶々しい死柄木の登場カットが、かなりマイルドになっていたのは“日5枠”ゆえの配慮なのだろうか? その直後に死柄木が放つスーパーアンチモラルな一言も、原作通りの『ヒロアカ』には珍しくカット。これはひょっとしたら次回の冒頭で出てくるかもしれないので要注目。出てこなかったら、ぜひ原作を読んでもらいたい。死柄木は本当に酷いことを言っているんです。

さて、本日放送の第10話は「未知との遭遇」。1-Aのヒーロー有精卵たちとヴィランたちが本格開戦! 人気キャラのイレイザーヘッド相澤先生や梅雨ちゃんも活躍するぞ! それではご唱和ください。さらに向こうへ、「Plus Ultra!」。
(大山くまお)