中国漁船の違法操業が世界各地で続発。中には拿捕を免れようとして逃走し撃沈されたり、拿捕後に爆破されたりするケースもある。写真は中国の漁船。

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2016年6月4日、中国漁船による違法操業が世界各地で相次いでいる。今に始まったことではないが、中には拿捕(だほ)を免れようとして逃走し撃沈されたり、拿捕後に爆破されたりするケースも。13億人の胃袋を満たすためとはいえ、周辺国の排他的経済水域(EEZ)などへの侵入も後を絶たず、あつれきを招いている。

中国メディアなどによると、アルゼンチンの沿岸警備隊は3月、ブエノスアイレスの南1300キロにあるプエルトマドリンの沖合で違法操業する中国漁船を発見。警告を発したものの、激しく抵抗したため重機関銃で撃沈した。漁船の乗組員32人は警備隊やほかの漁船によって全員救助された。船長は身柄を拘束され、司法機関に引き渡された。

中国漁船がはるばるアルゼンチン海域まで行った理由について、中国メディアは「近海の海洋資源が枯渇している」と指摘。「遠海で少なくない漁師がうまみを味わったことで、違法操業のケースも増える傾向にある」などと分析している。

インドネシアメディアは5月21日、同国海軍などが領海内で違法操業したとして拿捕した中国漁船1隻を含む外国漁船41隻を爆破した、と一斉に報じた。これまでに20隻以上摘発した中国籍の船は爆破せず、議会などから「弱腰」との批判が出ていた。中国漁船の爆破は今回が初めてとみられる。

中国外交部の洪磊報道官は中国漁船爆破について、「建設的に漁業協力を推進し、中国企業の合法で正当な権益を保障するよう望んできた」と不満を表明。インドネシア側に説明を求めたことを明からかにした。

インドネシアは5月27日にも、南シナ海のナツナ諸島周辺のEEZで中国船1隻を拿捕し、乗組員8人を拘束した。船内からは大量の新鮮な魚が見つかった。

さらに英BBCによると、南アフリカ当局は5月20日、南アのEEZに無許可で侵入した中国漁船3隻を発見し、違法操業の容疑で拿捕した。船内には約100人の乗組員がおり、計600トンのイカが水揚げされていたという。

フィリピンでも、海上警備部門と漁業水産資源局(BFAR)が組織するチームが5月16日、
許可を得ないまま北部のバブヤン島とバタネス州の間の海域を航行したとして、中国漁船2隻を拿捕した。2隻はフィリピン国旗を掲げていたが、上下が逆さまになっていた。

韓国でも事情は同じ。KBSワールドラジオによると、昨年に黄海の韓国EEZ内で違法操業し、当局に拿捕された中国漁船は、前年の123隻から147隻へと2割増加した。違反の内容別ではEEZ規則違反が119隻で、無許可操業が28隻だった。

韓国近海には中国漁船が大挙して押しかけ操業しており、今年1月、済州島を記録的な大雪と強風が襲った際は、1000隻以上が島の沖合を埋め尽くす光景が広がった。韓国メディアは当時の様子を島民の話として「映画『レッドクリフ』の曹操の艦隊のようだった。済州の海が占領されたようで恐ろしくなった」などと伝えている。(編集/日向)