岡崎、香川、清武の3人は息の合ったプレーを披露。多くのチャンスを作り出した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全3枚)

[キリンカップ]日本代表7-2ブルガリア代表
6月3日/豊田スタジアム

 ホームで7-2と大勝したブルガリア戦。攻撃が機能したように見えた一戦だったが、2点を失った守備の綻びは看過できないだろう。果たしてブルガリア戦の収穫と課題はどこにあったのか。
 
 本稿ではアタッキングサード(相手ゴール側のゾーン)、ミドルサード(真ん中のゾーン)、ディフェンディングサード(自陣ゴール側のゾーン)に分けて日本代表のパフォーマンスを検証する。
 
 まずは、アタッキングサードで評価したいのが、岡崎、香川、清武の連動した動きだ(ボランチの柏木を含めた4人での崩しも良かった)。それぞれがワンタッチでパスをつなぎ、ブルガリアDFに的を絞らせずに、次々に好機を作った。先制点直後の5分には、清武が香川とのワンツーで中央に侵入し、岡崎にスルーパス。これはオフサイドになったものの、その1分後には今度は清武が岡崎とのワンツーで中に入り、チャンスへとつなげた。
 
「ひとつのチャレンジであった」(ハリルホジッチ監督)香川と清武のダブル起用はブルガリア戦の出来を見る限りでは“あり”と言えるだろう。ただ、この試合では本田が不在だった点、ブルガリアのコンディションが予想以上に悪かった点、香川が負傷交代となり44分しか試せなかった点など、いくつかの留意点はある。
 
 9月から始まるワールドカップ・アジア最終予選で、相手が引いてバイタルエリアのスペースを消して来たとき、本来はトップ下を主戦場とするふたりが共存できるのかはいまだ未知数だ。
 
 一方で、宇佐美、浅野という途中出場組が結果を残した点もポジティブな要素として捉えられる。宇佐美はJリーグでの不調により今回のメンバー入りを疑問視する声もあったが、存在感を見せ付け、浅野も自ら奪ったPKを決めてA代表初ゴールをマークした。ハリルホジッチ監督も「途中から入った選手がクオリティを示してくれた」と満足げな表情を浮かべる。
 
 ただ、懸念材料として挙げられるのは、本田不在時の明確な次善策を示せなかった点だ。膝裏を痛め、早々にエースの出場回避が決まっていたこの試合では、指揮官が語っていた「圭佑とは違うタイプ」として小林悠が起用された。

 しかし、小林悠は守備で奮闘し、チーム3点目をお膳立てしたとはいえ、それ以外の部分でなかなか攻撃に絡めず。後半、小林悠に代わって入った浅野もスタメンを任せられるほどの存在感はない。本田は次戦のボスニア・ヘルツェゴビナ戦にも間に合うかどうかも微妙で、今後の緊急事態に備えても策は練っておくべきだろう。
 続いてミドルゾーンでは、良い意味でも悪い意味でも目立ったのが柏木だった。攻撃面だけを切り取れば出色のパフォーマンスだったと言って差し支えないだろう。

 岡崎の先制ゴールをアシストしたクロスは絶妙だったし、2点目の香川のゴールシーンでも長友へロングパスを通して起点となった。さらに言えば3点目の香川の得点も柏木の岡崎へのロングフィードが始まりだった。
 
 自慢の左足を駆使し、中盤のコンダクターとして十分に機能した。
 
 ただ一方で、守備面を見るとガラッと評価が変わる。確かに前へのプレッシャーは効いていおり、相手のボランチに素早く寄せ、パスの出所を潰してはいた。しかし、バイタルエリアのカバーでは後手に回る展開が目立った。実際に22分にはブルガリアの左サイドハーフのマルセリーニョに簡単にバイタルエリアへ進入され、前半唯一の決定機を作られる原因となった。
 
 また1失点目のシーンでは敵陣から戻り切れず、バイタルエリアをぺレスに使われ、決定的なパスを許した。