覚せい剤取締法違反罪で起訴され、先頃初公判が行われた清原和博被告(48)が、シャブ中のみならず、血糖値が900とも言われる重度の糖尿病であることはよく知られている。
 井上病院の井上毅一理事長が言う。
 「清原被告はまず薬物依存の治療をしなければならないが、保釈後に入ったのは糖尿病治療のための病院でした。覚醒剤を使用すると食欲が減退しますが、覚醒剤が切れると反動で食欲が旺盛になるものです。留置場の食事は現在、1日2300kcalで、糖尿病の清原被告にはカロリーオーバーなのですが、3食をペロリと食べたという。そういうこともあって、急激に血糖値が上がったのでは」

 まず、糖尿病とはどういう疾患なのか。井上氏がさらに説明する。
 「膵臓で作られるインスリンが不足し、血液中のブドウ糖(血糖)値の高い状態が慢性的に続く病気です。健常者の空腹時血糖値は血液1dlあたり100mg未満ですが、これが126mgを超える場合などに、糖尿病と診断される。500mg以上になると、吐き気や意識不明などの症状が出ます」

 食事で摂取したブドウ糖は最小単位まで分解され、エネルギー源として活用される。その際に必要になるのがインスリンだ。インスリンは血糖値を下げる働きをするホルモンの一種で、血液中のブドウ糖を効率よく活用する。井上氏が説明するように、糖尿病はインスリンの作用が低下することにより摂取した栄養素がうまく利用されず、血液中のブドウ糖が基準値を超えてしまう状態なのだ。

 しかし血糖値は、発症早期から運動や食事療法を開始し、継続することによって正常に戻る場合もあるという。
 「ただし、厄介なことに糖尿病は自覚症状がほとんどないため、気付いた時にはかなり進行していたというケースがあります。そのことからも、普段から予防に努めることが大切なのです」(同)

 また、糖尿病の真の怖さは合併症にあると言われる。
 山梨医科大名誉教授の田村康二氏が言う。
 「糖尿病になると血糖値の高い血液が全身を流れるため、身体を静かに蝕み、数年後に様々な病気を引き起こす。合併症には細い血管に与える影響で起こるものと、太い血管への影響で起こるものがあります。細い血管の場合は視力低下や失明、手足の痺れや身体のむくみなどの症状があり、人工透析が必要になることもある。一方、太い血管に影響を与えると脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性が高くなる。足壊疽を引き起こして、足を切断しなければならない場合もあります」

 加えて、男性にとっては辛いこんな症状も。
 「糖尿病が進むと血液がドロドロになり、血管の隅々まで血液が行き渡らなくなります。そうすると、その部位や器官が活動を停止してしまい、最終的には壊死する。男性器には多数の毛細血管があり、そこに血液が届かなくなることで、インポテンツになるのです」(前出・井上氏)