小林悠(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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やっとゴールに絡むことができた。35分、岡崎慎司からのボールを受けると、グラウンダーの強いパスをゴール前に送る。清武弘嗣がパスをまたぎ、その後ろに現れていた香川真司がボールを引きながらターンする真骨頂のプレーを見せて日本の3点目を決めた。このゴールで、清武とともに、パスを出した小林悠にもアシストが記録されたのだった。

これが代表定着の第一歩になる、と小林悠には思えないようだった。試合後、記者たちの前に現れた小林悠はいつもの朗らかな感じに比べると、重く沈んでいた。最初は「なかなか良さは出せないですね」と語り始める。

「縦に速くというチームの約束事があって、自分の動き出すタイミングをつくれなかったですね。自分の良さはなかなか出せなかったですね」

小林悠は感情を抑えながらしばらく話をしていたが、囲んでいる記者が少なくなったとき、思わずポロリと漏らした。

「全然見てもらえないんですよ」

自分としては自信のある動きもしたのだろう。だが、それでもパスの出し手はファーストチョイスとして小林悠をなかなか選ばなかった。小林悠が2014年10月、ジャマイカ戦で初キャップを記録したときは、1本パスミスした後、10分以上パスが廻ってこなかった。だが、今回はミスがなくともパスが出てこないという苦しさを味わうことになった。

「結果を残していないからだと思います」

自分と交代した浅野拓磨がPKとはいえ、初ゴールをマークしたことも心を揺さぶったに違いない。

だが、これこそ小林悠が望んでいた環境だった。小林悠は日本代表に招集される心境について、「次に呼んでもらえるかどうかわからない緊張感が、自分を成長させてくれると思っています」と語っていたのだ。

この日、小林悠が味わった屈辱感、焦燥感、そしてシュート0本だったという結果のほうが、アシスト1という記録よりも小林悠を成長させることだろう。

最後に小林悠はこう語った。「そこにこだわればパスは出てくると思うし、そこがすべてを解決してくれると思います」

「そこ」=「ゴール」への渇望を滲ませながら小林悠はバスに向かっていった。

【日本蹴球合同会社/森雅史】

▼ 小林悠

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ ヴァイッド・ハリルホジッチ監督

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ ヴァイッド・ハリルホジッチ監督

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ ブルガリア戦の先発イレブン

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 7-2でブルガリアを撃破した、ハリルジャパン

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 宇佐美貴史

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 宇佐美貴史

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 宇佐美貴史、清武弘嗣

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 遠藤航

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 岡崎慎司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 岡崎慎司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


吉田麻也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 吉田麻也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 吉田麻也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 吉田麻也

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 原口元気

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 原口元気

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 香川真司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 香川真司、岡崎慎司

(撮影:岸本勉/PICSPORT)