能登さんのギャップ萌え


太陽は東から昇り、リンゴは重力に引かれ、能登麻美子さんといえばかわいい。だからアニメスタッフは能登さんの声とキャラの落差、「ギャップ萌え」のチキンレースに挑んでしまう宿命(さだめ)なのか……。


チキンレースの始まりは『銀魂』のパンデモニウムさん。原作およびアニメ版に出るキャラというか、式神の中ではポピュラーなスナック菓子であり食べもの。妖精の幼虫というとファンシーだが、見た目はイモムシに濃すぎるおっさんの顔がついた人面虫である。
パンデモニウム食い競争、略してパン食い競争。新八が仕方なくジャンプして飛びつくと、唇と唇が触れ合い…。
「初めてだった」「私も初めてだった」
新八どころか視聴者もメロメロ、アニメ版では再登場してPND48に増殖。パンデモニウムさんが画面を埋め尽くすヘブン状態(一般的には地獄)!
今年2016年のアニメでも「能登さんに下品なことを言わせよう」レースがなぜかデッドヒートの火花を散らしている。一番手は、1月〜3月に放映された「おしえて! ギャル子ちゃん」。以下、能登さんが素敵な声で担当されたナレーションを一部伏せ字にしてお送りします。
「巨Nの人はN輪も大きいって本当ですか?」
「陰Mの濃さは眉毛を見ればわかるって本当ですか?」
「若い女の子でもお尻にKが生えるって本当ですか?」
仕事を選ばない能登さんはプロ声優の鑑です、本当に有難うございます。今回のジョジョも、シルバーチャリオッツばりに鎧ならぬ羞恥心を脱ぎ捨て、ありのままの山岸由花子を演じておられます!!

第9話は、こんなお話


どんどんエスカレートしていく監禁生活に耐えられなくなった康一は、由花子の説得を試みるが失敗する。その会話の中でヒントを得た康一は、エコーズで屋敷の周囲を捜索したところ、公衆電話を発見。仗助達に連絡したくても10円玉がなく、作戦も由花子に見透かされて八方塞がり。食材を仕入れるために公衆電話に向かった由花子だったが、それも康一の計算のうちだった……。

発信音で電話をかけるエコーズ


開幕から、いきなり大ピンチの康一くん! ただしトイレがダイヤル錠でロックされてる的に。コロンブスが新大陸を発見したのは西暦何年か、漏らしそうなときに4桁の数字を思い出すのはキツイ。映画のタイトルにもなってたんだよな〜と惜しいところでタイムアップだったが、その映画は『1492 コロンブス』。『オデッセイ』のリドリー・スコット監督で、156分の長さだったりする。
パンツとパジャマを洗濯する山岸由花子、マジ母親、能登さんの数ある引き出しをまた開けてくれて有難うございます(二回目)。
何を言っても「由花子はいけない女の子なのね」と聞く耳持たない鉄壁の前に、パンツの次は涙で濡れそうな康一くん。しかしっ!
「あなた自分で人間として最低と言っておきながら、その瞳の奥にキラリと光る…なんていうかサワヤカな物があたしには見えるのよ」
強引すぎる性格はさておき、男を見る目は確かな山岸由花子。 「切り札を持ってるぞ」(スタンドのこと)も見抜いていて、康一くんへのアプローチを間違えてるだけ。それが致命的ではあるのですが。
「それに愛している人のものなら誰だって、UNKだろうが(一部イニシャルトークにしています)鼻汁だろうが平気でしょう?」
能登さんになんてこと言わせるんだ!視聴者が有難うの土下座で地面に穴を掘るじゃないですか。

家中の電話線という電話線は切断済み、しかし「オリーブオイルを仕入れなくちゃ」の一言から陸の孤島→電話注文→ 近くに公衆電話があるはずだと推理する康一くん、頭脳バトルのジョジョらしい主人公ぶり。勉強できないけど戦いで冴え渡るのもジャンプ主人公のあかし。
公衆電話を見つけたものの10円玉かカードがない…ことまで由花子はお見通し。この二人、考えてることが完全シンクロしていて、性格以外はベストカップルじゃないだろうか。
公衆電話に注文と110番の緊急通報ボタンを壊しに行った由花子、その腕にはエコーズのつけた「ピポパポパプピ」の文字。電話番号の発信音を流せばプッシュ回線はつながるッ!康一くんの作戦勝ちだ。
公衆電話どころかスマホの発信音も聞かない現代だと本当なの?と思うかもだが(質問サイトの定番になってたりする)、実は本当だ。
まだ携帯電話が普及してなかった時代、電話番号は紙の手帳を見て、いちいち手で入力していた。そこに登場したのがシャープの「電子ダイヤラー」という製品だ。登録した電話番号を選び、スピーカーを受話器に近づけてピポパぽ鳴らせば、どこでも電話をかけられたのだ。なぜこんな豆知識を知ってるのに、コロンブスの年号が覚えてないんだ康一くん……。

由花子の汚い台詞、ノーカット!!


エコーズがかけてきた電話で聞こえた波の音から海岸近くの別荘地だと見破った仗助、さすが頭が切れるジョセフの息子。地図を広げて推理する下りはアニメオリジナルだが、杜王町はこじんまりした街で、場所が特定しやすそうではある。
康一くんが同じようなスタンド能力を持ってることを嬉しがる山岸由花子は異常に映るが、第三部の花京院がスタンド仲間がいなくて孤独に苦しんだことを思うと感慨深い。エコーズに「大嫌いだ!」を貼り付けられてもボロっと落ちるのも、無理はないこと。
由花子の執着が「立派な男の人にしよう」から「あたしのことを愛するようになるまでこの家を出さないわ」にレベルアップしたのに伴い、エコーズも絶望のあまり死んでしまったー!わけがない。スタンドが死んだら康一くんも死んでいる。
枯れたような色になって動かないエコーズ、ドアのバリケードを破ったラブデラックスの怪力……極限状態を糧に、エコーズはACT2に進化! 「精神の成長とともに進化するスタンド」の第一号であり、味方のみならず敵も進化するという厄介な前例にもなっている。
そして眼輪筋がピグピグしてちょっと(?)暴力な気分になった山岸由花子との、ラウンド2がスタート。ACT2は文字を感覚に変える能力を持ち、「ドヒュウウウ」は風圧に、「ドジュウ」は手すりをつかんだ手にヤケド。ただし一度に一つしか使えず、ACT2が文字を回収してはコネコネしてしっぽに戻すしぐさが可愛すぎ。
バラバラになる髪には文字をぶつけられない。そう悟るや、由花子の髪の毛が巻き付くことを先読みして背中に「ドッグオン!」をセット、本体ごとふっ飛ばす康一くん。覚醒したばかりで新能力を使いこなすカッコよさ、惚れた由花子は見る目あるなあ!

衝撃でノックアウトされ、白髪になった山岸由花子。さあ、ここからが今週のハイライトだ。死んでないかと近寄ったエコーズを髪の毛がとらえたところから、みなさま録音の準備はよろしいでしょうか。
「よぐもぉ!くおの!SョンBンちびりがぁぁぁぁ」
「あだしの大切な髪の毛が真っ白になってるわッ!このヘナTN野郎があああーー」
「このままこのSョンBンたれのTNPK引っこ抜いてそこから内臓ブまけてやるわッ!」
康一くんのセリフは結構カットしてるのにッ!由花子はノーカットで原作通りッ!能登さんに地上波で汚い言葉を喋って頂く覚悟を決めたスタッフに、「luck」(幸運を)に血染めの文字を足した「pluck」(勇気をッ!)を刻んだ剣を贈りたい。
由花子の倒れた足場が崩れると分かっていて、ACT2は前もって崖下の岩に「ボヨヨン」の文字を貼り付け。殺されそうなときに相手を救うことをすでに考えていた康一くん、ゆかこじゃなくても惚れますって。
能登さんボイスのライブラリが数年分の貯金ができて、大満足の第9話。次回は「イタリア料理を食べに行こう」、第四部指折りの人気エピソードだ。最高にヘルシーな回ですよ(ウソは言ってない)!
(多根清史)